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山梨に住んで

健康・生活支援看護学 山﨑 洋子  (2014年6月)

著者近影
 私は、平成7年に開設された山梨医科大学看護学科地域・老人看護学講座の地域看護学担当の教員として、平成9年に着任しました。当時は、看護学科教育研究棟ができておらず、広い体育館のような、そう、高校の職員室のような教官室に先に着任された諸先生方がおられたのを思い出します。このたび、第1回生を健康・生活支援看護学講座の助教に迎え、やっと、看護学科の教育がつながったような気がしているところです。
 さて、私は、地域看護学領域で、主に地域を基盤とした看護活動の解明を仕事にしています。着任した当初は、「保健師って看護職なの?」と、医学科諸先輩にいわれたりしたこともありましたが(昔の話です)、『保健師』の名は、東日本大震災後の自治体保健師の活躍で、全国的にぐっと知名度が上がった気がします。日頃、目立たない『普通の暮らしを守る』看護活動が、大災害で注目されたのは悲しいことですが、住民の健康生活を守る仕事が注目されたのは、地域看護学を担当し、保健師のライセンスコースにかかわる教員にとっては小さな誇りでもあります。
 さて、私は、東京の杉並で生まれ、新宿に育ちました。何でも買うことができるけれど、消費するだけの都会の生活は、自治体保健師として働きながらも、何か地に足のつかない居心地の悪さを感じ、恩師の山岸春江名誉教授に誘われたこともあり、山梨大学に着任して17年の月日がたち、今は、すっかり山梨県民(のつもり)となりました。
平成15年からは、大学病院医療福祉支援センターで相談窓口を少しだけお手伝いするようになり、大学病院から地域へ退院する患者さんの橋渡しをする中で、地域連携や他職連携、家族支援について研究の機会を持つようになりました。病院の医療福祉支援センターの窓口で出会った多くのクライエントの『生老病死』は、本人だけでなく、ご家族にも、時には、本人をケアする援助者にも十分なケアが必要であることを教えてくれました。高度医療を行う特定機能病院では、在院日数の短縮化に伴い、今後ますます、複雑で深刻な問題を抱えた相談者が増えることが予想され、医療福祉支援センターのような相談部門の看護援助の追究は重要だと考えています。
 日本の保健師による公衆衛生看護活動の可視化をライフワークとして、山梨県内外の保健師の活動史の収集や保健所での保健師現任教育や市町村の地域包括支援センターの保健師との共同研究などにも取り組んでいます。
山梨に住み始め、仕事の合間に学生実習でお世話になった住民の方に教えていただいたりして、ハーブや家庭菜園にもチャレンジしています。その作業の中で、その土地に合った食物を育て、季節の旬の作物を丁寧に調理して味わい、お日様と共に寝起きし、労働してきた山梨の高齢者の人たちの生命の尊さを実感しています。
 地域の人々の『普通の暮らしを守る』看護とは、人々の暮らしの文化の中で生老病死を見守り、生きる価値を人々と共有し、確認することだと山梨の人々から教えられました。
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