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2015年4月28日 担当:杉田
Effect of Lowering the Glycemic Load With CanolaOil on Glycemic Control and Cardiovascular Risk Factors: A Randomized Controlled Trial.
~ キャノーラ油を用いた低糖負荷の血糖コントロールと心血管系危険因子に対する影響:無作為化比較試験 ~
~ キャノーラ油を用いた低糖負荷の血糖コントロールと心血管系危険因子に対する影響:無作為化比較試験 ~
出典:
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1806-14.
著者: David J.A. Jenkins, CyrilW.C. Kendall, Vladimir Vuksan, Dorothea Faulkner, Livia S.A. Augustin, Sandra Mitchell, Christopher Ireland, Korbua Srichaikul, Arash Mirrahimi, Laura Chiavaroli, Sonia Blanco Mejia, Stephanie Nishi, Sandhya Sahye-Pudaruth, Darshna Patel, Balachandran Bashyam, Edward Vidgen, Russell J. de Souza, John L. Sievenpiper, Judy Coveney, Robert G. Josse, and Lawrence A. Leiter.
著者: David J.A. Jenkins, CyrilW.C. Kendall, Vladimir Vuksan, Dorothea Faulkner, Livia S.A. Augustin, Sandra Mitchell, Christopher Ireland, Korbua Srichaikul, Arash Mirrahimi, Laura Chiavaroli, Sonia Blanco Mejia, Stephanie Nishi, Sandhya Sahye-Pudaruth, Darshna Patel, Balachandran Bashyam, Edward Vidgen, Russell J. de Souza, John L. Sievenpiper, Judy Coveney, Robert G. Josse, and Lawrence A. Leiter.
- <論文の要約>
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Background:
α-リノレン酸(ALA)、単不飽和脂肪酸(MUFA)、低血糖負荷(GL)は、心血管疾患(CVD)に対してそれぞれ独立した予防効果があることがあきらかとなっているが、これらを組み合わせた効果は、評価されていない。それゆえ、我々は2型糖尿病における、ALA、MUFA、低GLの組み合わせによる血糖コントロールやCVD危険因子に対しての効果を検討した。
Methods:
研究は、パラレルデザインの無作為化試験で、2011年3月から2012年9月の間にカナダアカデミックセンターにおいて3ヶ月間の治療がそれぞれ行われ、経口血糖薬で治療されていた2型糖尿病(HbA1c 6.5%-8.5%)の141名の参加者が含まれている。参加者は、テスト群には、キャノーラ油が豊富なパンとして、ALAとMUFAとともに低GL食の供給(2,000キロカロリーあたり31gのキャノーラ油)、対照群には、全粒小麦パンとともに全粒食が、食事に関するアドバイスとともに提供された。主要アウトカムは、HbA1cの変化である。副次的アウトカムには、算出されたフラミンガムCVDリスクスコアと反応性充血指数(RHI:血管内皮機能の指標)を含んだ。
Results:
テスト群79%と対照群90%が試験を完遂した。テスト群では、HbA1cの減少率は0.47%(95% CI: -0.54%, -0.40%)で、対照群の0.31%(-0.38%, -0.25%)よりも大きく(p=0.002)、とくに高い収縮期血圧(SBP)の人で大きな効果が観察された。テスト群において、CVDリスクスコアがより大きく減少しており、一方で対照群においてRHI比は増加した。
Conclusions:
キャノーラ油入り低GL食は、2型糖尿病における血糖コントロールを、特にSBPが高い参加者において改善した。一方で全粒食は血管反応性を改善した。
- <ジャーナルクラブでのディスカッション>
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■この方法では、材料単体の効果を証明できない。実用性を加味した研究としては、栄養に関する研究の限界かもしれない。
■フォローアップ期間を3ヶ月としているが、その根拠が示されていない。
■テスト群と対照群への提供された食事量が対照群の方が多く、テスト群と比べてアドヒアランス不良になるかもしれない。また、帝京されたパンが嫌いという事で離脱した参加者がいるということは、それ以外の参加者でもパンを摂取しなかったかもしれない。しかし、二群には差が認められているので、これらの過程は過小評価となるだろう。
■RHIが対照群で高かった点は、もしかしたら3ヶ月での評価に適した検査でなかった可能性がある。