脳腫瘍について

脳腫瘍(原発性脳腫瘍)は、年間10万人に11人に発生します。
特に中年以降に多くなる傾向があります。

脳腫瘍の症状

脳腫瘍による症状は、腫瘍の発生場所によって様々です。
一般に、明け方の頭痛、吐き気、嘔吐、意識障害、視野視力障害、半身麻痺、言語障害、 嚥下障害、てんかん発作など

脳腫瘍の検査

頭部CT、MRI、脳血管撮影、PETなどがあります。
必要に応じて造影剤を使用します。

脳腫瘍の治療

手術(摘出術、生検術) 放射線治療(全脳照射、部分照射、ガンマナイフなど) 化学療法(抗がん剤など) 等があります。

脳腫瘍の種類

脳腫瘍は、一般に以下の3つに分類されます。

  1. 脳実質(脳そのもの)から発生する腫瘍
    神経膠腫(グリオーマ)、髄芽腫、胚細胞腫など
  2. 脳実質外から発生する腫瘍
    髄膜腫、下垂体腺腫、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫など
  3. 転移性脳腫瘍

以下に代表的な腫瘍について紹介します。

1.神経膠腫

膠芽種の造影MRI

神経膠腫は、さらに以下の3つに分類されます。

星細胞腫が良性、膠芽腫が非常に悪性で、退形成星細胞腫は、その中間です。
退形成星細胞腫の手術後3年の時点での生存割合は60%程度、膠芽腫では20%程度とされています。
当科では、手術用ナビゲーションや、術中蛍光血管造影などを使用し、安全に且つ確実に腫瘍摘出を行っています。

2.髄膜腫

髄膜腫は、良性の脳腫瘍で最も多く、中年以降の女性に多い腫瘍です。
脳を包む、硬膜に付着して発生します。
一般に良性であり、症状のない、小さなものは、手術の必要も無く、経過観察となりますが、症状のある腫瘍は、手術による摘出を行います。
発生部により手術の困難度が変わります。

下垂体腺腫の造影MRI

髄膜腫の造影MRI

術後MRI

髄膜腫の造影MRI

3.下垂体腺腫

下垂体腺腫は、脳下垂体に発生する良性腫瘍です。
脳下垂体は、人体の内分泌の調整を行ったいます。
このため、ホルモンバランスを崩して発症する(生理不順や乳汁分泌、先端巨大症など)ことが多いのですが、半分は、ホルモンバランスを崩さないタイプが存在します。
これは、視野障害(両耳側半盲:両目の外側が見えなくなります)で発症します。
当科では、2009年より神経内視鏡を使用し、経鼻による手術を行っています。頭を切ることがないため、患者さんへの負担は少なくすみます。

下垂体腺腫の造影MRI

下垂体腺腫の造影MRI(術前)

術後MRI

下垂体腺腫の造影MRI(術後)

オリンパス社製内視鏡装置

オリンパス社製内視鏡装置

神経内視鏡の映像

神経内視鏡の映像

下垂体腺腫

下垂体腺腫(中央)

腺腫摘出後

腺腫摘出後

4.聴神経鞘腫

聴神経(耳の神経)から発生する良性腫瘍です。難聴で気づくことがほとんどです。
聴神経は、蝸牛神経、上下の前庭神経から構成され、このうち前庭神経が腫瘍化します。
顔面神経(顔を動かす神経)がすぐ近くを走行するため、手術の際にこれを以下に温存するかが大事になります。
当科では、顔面神経刺激装置および神経内視鏡を使用し、手術を行っています。

下垂体腺腫の造影MRI

聴神経鞘腫の造影MRI

術後MRI

聴神経鞘腫のMRI(FIESTA)

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