山梨大学医学部附属病院 肝疾患センター

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センター長あいさつ

B型及びC型肝炎に代表されるウイルス性肝炎は、国内最大級の慢性感染症といわれ、自覚症状がないまま肝硬変や肝がんに移行することが多いとされています。このため、わが国では、国民の健康に関わる重要な課題として、ウイルス性肝炎を中心とした肝炎対策が掲げられ、「肝炎対策基本法」が制定されました。これにもとづき、地域において診療の中心的な役割を果たす病院として「肝疾患診療連携拠点病院」が各都道府県に原則1カ所設定され、山梨県では2008(平成20)年3月5日、当院がこれに指定されました。「肝疾患センター」は、この業務を推進する部署として、2008(平成20)年6月1日に設置されました。

当センターでは「肝疾患相談支援」と「肝疾患診療支援」をおもな業務としております。
相談支援業務は、患者さんや家族、医療従事者からの肝疾患の予防・診断・治療・医療費などのご相談を受け付けているほか、地域の方々を対象とした市民公開講座や「肝臓病教室」を開催しています。また、仕事を続けながら肝臓病の治療ができるよう「就労支援」についての取り組みも開始しました。

診療支援業務は、肝疾患専門医療機関と肝疾患非専門医、地域のいわゆる「かかりつけ医」との診療連携をはかるため、診療ネットワークを構築し、肝疾患診療連携拠点病院等連絡協議会、肝疾患医療従事者研修会を開催しているほか、2009(平成21)年度からは「肝疾患コーディネーター講習会」を開催しています。また、急速に進歩・複雑化する肝疾患診療に対応するために、宿主・ウイルス遺伝子検査や肝硬度測定など施行し、地域の医療機関からのご紹介を受け付けています。

近年は抗ウイルス薬の進歩により、肝炎ウイルスの多くにおいて″排除″あるいは″制御″が可能となりました。WHO(世界保健機構)では2030年に″肝炎ウイルスの撲滅″を目標に世界で啓蒙活動を進めており、日本でもその機運は高まりつつあります。当センターにおいても正しい最新の知識を患者さんにお伝えし、″山梨県における肝炎ウイルス撲滅″を目標に活動を続けて参ります。

今後も、肝疾患センターは皆様のお力になりたいと思っておりますので、ますますのご理解、ご協力を賜りたいと思います。

山梨県肝疾患診療連携拠点病院
肝疾患センター長 前川 伸哉

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