ご挨拶

山梨大学大学院
総合研究部医学域基礎医学系
生理学講座統合生理学
教授 宇賀貴紀

2016年7月から生理学講座統合生理学教室を主宰することになりました。当教室は初代入来正躬教授、2代目有田順教授と続いた伝統ある教室です。私も学生時代に入来先生が書かれた生理学の教科書で学んだこともあり、大変感慨深い思いです。2016年10月より教室名を生理学講座第1教室から統合生理学に変更いたしました。当教室ではこれまで様々な生理学研究が行われてきましたが、伝統と革新を統合したいという思いです。

私はこれまで脳の高次機能の研究を推進してきました。学生時代からヒトの脳に興味があり、ヒトの脳機能を行動学的に測る心理物理学研究を始めましたが、より神経基盤に迫れるよう、大学院から動物の研究に取り組むことにしました。個体の機能を行動学的に検証し、脳が情報処理器官としてどのように働くかをシステムとして理解できるよう、ヒトの脳機能に類似し、情報表現をニューロンレベルで扱うことができる霊長類の視覚系を用いた高次脳機能の研究分野を選択しました。「ヒト特有の脳機能を深く知る」が目標です。

これまで、生理学に心理学、計算論を加えた研究を行ってきましたが、今後はさらに、光遺伝学や化学遺伝学的手法など最先端の技術を取り入れたいと思います。また、医学系に加え、工学系、スポーツ系などの学生、研究員も受け入れてきました。多様な人材に興味を持ってもらい、参加してもらい、楽しく研究することで、優れた研究成果を世界に発信できる研究室にしたいと思います。

当教室の活動にご理解をいただけましたら幸いです。