地域医療連携支援学講座 研究内容
本寄附講座では、地域における医療連携推進のための支援方策の研究と、研究成果をもとにした地域医療提供体制の向上を目的とし、以下の研究を行う予定である。
- 地域医療提供体制の現状把握と課題分析に関する調査研究等
- 地域医療提供体制の改善方策等に関する調査研究等
- 地域医療機関における診療情報等の保存に関する研究等
- 地域医療機関における診療情報等の相互利用に関する研究等
- 地域医療機関における診療機能の連携支援に関する研究等
- 地域医療機関における診療機能の支援方策に関する研究等
4.上記研究に対応した診療体制構築の実施支援等
5.その他設置目的を達成するために必要なこと
平成23年度
山梨県内の病院における医師の診療内容に関する調査のための準備を行う。
平成24,25年度
平成24年度に、調査・内容の集計を行い、現実に不足する医師の分野を特定することと、当該地域での住民へ聞き取り調査を行う。不足分野の確定後、大学を中心に医師派遣等の可能性や条件について聞き取り調整を行う。可能であれば、派遣の条件に対応した医師派遣を当該診療科に依頼する。平成25年度前半までに、複数の病院について同様のアプローチを繰り返す予定である。
また、山梨県内で補充が不可能な診療技術で、今後需要が認められる当該能力を持つ医師を確保し、山梨県内に技術の展開をはかることができるよう計画する。
平成23,24年度
全国的に「どこでもMYカルテ」を実現し、診療情報の共有化をはかり医療の効率化と質の向上を行う研究が行われているが、本研究では、「自分の診療データは自分の意志でコントロールする」ことを大前提にしたシステム開発を行うもので、平成23年度に基本システムの設計、24年度に試験的な運用を行なう。本研究により、個人の診療データを安全に安価に、確実に保存できる可能性をもったシステムの原型を作る。
平成25年度
システム運用実験を拡大して、その有用性を明確にする。
平成23,24,25年度
第1の研究で医師を中心とした不足を改善する調査とともに、不足技術の山梨県内への展開を図るための方策を検討し、可能な範囲で実際に試行する。
医療機関の機能を明確にし、山梨県域全体を一つの医療機関と考え、県全体の医療資源を活用したALL山梨で最善の医療の提供を行うための検討を、調査を交えて行う。
また、病院・診療所と在宅医療の連携を阻害している要因を研究調査し、その問題点の解決を検討する。可能であれば、改善の端緒となることも想定している。