■ジャーナルクラブ通信バックナンバー
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Hypermethylation of CpG islands in the promoter region of the p15INK4B gene in childhood acute leukaemia
~小児急性白血病におけるp15INK4B遺伝子promoter領域CpG islandの高メチル化~
~小児急性白血病におけるp15INK4B遺伝子promoter領域CpG islandの高メチル化~
European Journal of Cancer (2005) 41. 584-589
著者:E. Tsellou, C. Troungos, M. Moschovi, F et al.
著者:E. Tsellou, C. Troungos, M. Moschovi, F et al.
- <論文の要約>
- サイクリン依存性キナーゼ抑制(CDKI)遺伝子p15INK4Bの遺伝的変化による不活化が、様々な悪性腫瘍の原因となる可能性が報告されている。このCDKIの失活のメカニズムの1つとしてp15INK4B遺伝子プロモーター領域における5′CpG islandの高メチル化の関与が示唆されている。CDKIの失活は様々な血液悪性新生物の中で多く見られている。
小児期急性骨髄性白血病(AML)と急性リンパ性白血病(ALL)の病因におけるメチル化の役割を明らかにするため、p15INK4B遺伝子のメチル化を観察した。対象者は、23例のB-細胞ALL、13例のT細胞ALL、32例のAML患者と10名の健康なコントロール。高メチル化の同定はメチル化特異的PCRで行った。
p15INK4B遺伝子の高メチル化は、T細胞ALL(46.2%)に高頻度であったが、B細胞ALL(13.0%)とAML(18.8%)での頻度はほぼ同じであった。
p15INK4Bの高メチル化はT細胞ALLの発症と関連する可能性があるが、AMLまたはB細胞ALLとは関連がなかった。
- <ジャーナルクラブでのディスカッション>
-
遺伝子が後天的にメチル化等の作用を受けることが、疾患の発症要因となることが示唆されている。小児の白血病患者を用いてそのメチル化の頻度を観察し、その関連を明らかにしようとした研究。
・このデザインではメチル化と発症との因果関係が判定できない…前向きな研究は可能か?それは妥当なデザインか?
・B-細胞ALL患者に対する、コントロールのオッズ比は1を超えている。サンプリングバイアスによる結果と考えてよいか。コントロールが少なすぎて、referenceにできなかったのは本研究の限界のひとつ。
・B細胞とT細胞を分けて観察できればより良いだろう。
ナル美:「遺伝子のメチル化って、いろんな作用があるらしいわよ。ジャー吉の脳みそもメチル化液
みたいなのに漬けたら、ちょっとは食いしんぼが治るかもね。」
クラ坊:「だぁー(無きにしも非ずだね)」
ジャー吉:「僕の脳みそ、漬け物みたいに言うない!」