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国立大学法人

山梨大学大学院総合研究部医学域 社会医学講座

社会医学講座 | 山梨大学医学部

Department of Health Sciences,Basic Science for Clinical Medicine,
Division of Medicine, Graduate School Department of Interdisciplinary Research,
University of Yamanashi

おしらせ

2018年の業績2019年の業績を追加しました      2019.4.19

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Journal Club 通信を更新しました     2019.3.27

Journal Club 通信を更新しました     2019.3.25

Journal Club 通信を更新しました     2019.3.5

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Journal Club 通信

ジャーナルクラブは疫学論文のCritical Reviewを行う会です
毎週水曜日午後6時~7時 本講座で開催
このコーナーでは毎週のクラブの報告をいたします

2019年3月13日    担当:大友

Alcohol use and burden for 195 countries and territories,1990-2016:a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study2016
~ 195ヵ国におけるアルコール摂取と負担1990~2016:世界の疾病負担研究(Global Burden of Disease Study)2016に関する系統的解析 ~
出典: https://www.thelancet.com/pdfs/journals/lancet/PIIS0140-6736(18)31310-2.pdf
著者: Emmanuela Gakidou,et al.: GBD 2016 Alcohol Collaborators
<論文の要約>
【背景】
アルコール摂取は死亡および障害の主なリスク因子であるが、一定の条件下におけるアルコールの適切な摂取量による保護効果の可能性によって、健康との総合的な関連性は錯綜している。世界の疾病・外傷負担およびリスク因子研究(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study)2016の範囲内で説明される包括的なアプローチによって、1990年~2016年までに世界195ヵ国において、15歳~95歳以上の男女を対象として、5歳ごとのグループ別にアルコール摂取とアルコールに起因する死亡および障害調整生存年数(DALY)の推定の改良版を作成した。

【方法】
アルコール摂取量に関する個人・集団レベルの694のデータソースに加え、アルコール摂取リスクに関する592の前向き・後向き研究を用いて、現在の飲酒率、禁酒、1日のスタンダード・ドリンク(純エチルアルコール10 gと定義)に換算した現在飲酒者のアルコール摂取量の分布、さらにアルコールに起因する死亡およびDALYを推定した。前回の推定と比較していくつかの方法論的に改良された点がある:まず、旅行者および未記録の摂取量を考慮に入れて酒類の推定販売量を調整した。次に、アルコール摂取に関連する23の健康帰結における相対リスクのメタ解析を新たに行った。3つ目に、個人の健康に対する全体のリスクを最小限に抑えるアルコール摂取量を定量化する新たな方法を開発した。

【結果】
世界的に見て、2016年、アルコール摂取は死亡およびDALYにおける主なリスク因子の第7位で、女性の年齢調整死亡率の2.2%[95%不確実区間(UI)1.5~3.0]、男性の年齢調整死亡率の6.8%(5.8~8.0)を占めていた。2016年、15歳~49歳の集団において、アルコール摂取は世界的に主なリスク因子で、アルコール摂取に起因する女性の死亡率は3.8%(95% UI:3.2~4.3)、男性の死亡率は12.2%(10.8~13.6)であった。15歳~49歳の集団において、アルコール起因性のDALYは女性が2.3%(95% UI:2.0~2.6)、男性が8.9%(7.8~9.9)であった。この15歳~49歳の集団において、死亡に寄与する主な3つの原因は、結核[全死亡のうち1.4%(95% UI:1.0~1.7)]、交通外傷[1.2%(0.7~1.9)]、自傷行為[1.1%(0.6~1.5)]であった。2016年、50歳以上の集団では、癌がアルコールに起因する死亡全体の大部分を占めており、女性では、アルコールに起因する死亡全体の27.1%(95% UI:21.2~33.3)、男性では18.9%(15.3~22.6)であった。健康帰結全体に及ぼす悪影響を最小限に抑えるアルコール摂取量は、1週間に0スタンダード・ドリンクであった(95% UI:0.0~0.8)。

【解釈】
アルコール摂取は世界的な疾病負担における主なリスク因子であり、実質的な健康損失の原因となる。全死因死亡リスク、特に癌のリスクは摂取量の増加とともに上昇し、健康損失を最小限に抑えるアルコール摂取量は0であったことが示された。このような結果から、アルコール抑制政策を世界的に修正し、全集団レベルの摂取量に再び焦点を合わせる必要があることが示唆される。

【資金提供】
ビル&メリンダ・ゲイツ財団


<ジャーナルクラブでのディスカッション>
    ■タイトルのburden(負荷)は、「Mortality Rate」と健康負荷の「DALY」を表していると解釈した。
    ■発展途上国から先進国まで一括した結果「健康帰結全体に及ぼす悪影響を最小限に抑えるアルコール摂取量は、1週間に0スタンダード・ドリンク」を、世界各国に一般化し、政策の指針とするには、無理があるのではないか。各々の国の経済状況によるアルコールによる疾病負荷をカテゴリーごとの推定値から推奨を出した方が、良いのではないか。
    ■本研究のシステマティックレビューで使用されているデータソースは、交絡因子やバイアスが十分調整されたものか本文中に明確な記載がない(付録には記載がある)。
    ■考察に記載があったが、推定において販売データを使用したことから、摂取量の推定において違法販売または未記録の摂取量が十分に把握されていない可能性がある。

最近のジャーナルクラブ通信

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Last Update: 2019.4.19

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