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山梨大学大学院総合研究部医学域 社会医学講座

社会医学講座 | 山梨大学医学部

Department of Health Sciences,Basic Science for Clinical Medicine,
Division of Medicine, Graduate School Department of Interdisciplinary Research,
University of Yamanashi

ジャーナルクラブ通信バックナンバー

トップページ ジャーナルクラブ通信バックナンバー検索 2006.06.28

2006年6月28日 担当:近藤、佐藤、朱

Chronic stress at work and the metabolic syndrome: prospective study
~ 慢性的な職業ストレスとメタボリック症候群:前向き研究 ~
出典: BMJ.2006 332巻 521-525.
著者:Chandra T ほか
<論文の要約>
職業ストレスとメタボリック症候群の関係を明らかにするための縦断研究。
対象はイギリス・ロンドン市内の20の官公庁につとめる35―55歳の男女10308人(Whitehall II study)を14年間追跡した。
iso-strainモデル(ストレス状態を要求される仕事量を多いと感じかつ孤立している状態とする)に基づく職業ストレスを追跡期間中4回に渡り評価した。
メタボリック症候群はNational Cholesterol Education Programの基準を用いて評価した。その結果、14年の間に、職業ストレスを持続的にもっている人ほど、メタボリック症候群になりやすく、その関連には量反応関係が認められた。他のリスク要因を考慮しても同様の関連が認められた。
職業ストレスをもっている人は、もっていない人に比べて、メタボリック症候群に2.25倍なりやすかった(95%信頼区間1.31-3.85)。
以上から、ストレスはメタボリック症候群の重要なリスク要因であると考えられる。
本研究によって、日常におけるストレッサーと心疾患とのバイオロジカルな機序として、メタボリック症候群が関わっていることが示された。


<ジャーナルクラブでのディスカッション>
・メタボ症候群の基準が日本と違う!(日本の基準より重度の人を抽出している)

・ベースライン時のat risk対象者からの除外基準がメタボ保持ではなく肥満(BMI>30)で代用しているのは残念。

・iso-strain model→「単身赴任の中間管理職」といった人がイメージできる。実情にあった結果でよく納得できる。

・欠損値のデータ補完方法(MICE)は興味深い。



 ジャー吉:「メタボリック症候群、最近よく耳にするよね。」

 ナル美:「ジャー吉の場合、自分のお腹からの悲鳴が聞こえてるんじゃない?」

 クラ坊:「ばぶー(関係ないけど、BMJって読みやすくていいよね。)」


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