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山梨大学大学院総合研究部医学域 社会医学講座

社会医学講座 | 山梨大学医学部

Department of Health Sciences,Basic Science for Clinical Medicine,
Division of Medicine, Graduate School Department of Interdisciplinary Research,
University of Yamanashi

ジャーナルクラブ通信バックナンバー

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2007年12月12日 担当:永井

Major Psychological Factors Affecting Acceptance of Gene-Recombination Technology

~ 遺伝子組み換え技術の容認に影響する主な心理的要因 ~
出典: Risk Analysis, Vol. 24, No. 6, 2004
著者:Yutaka Tanaka
<論文の要約>
目的:
この研究の目的は遺伝子組み換え技術の容認を予測するために作られた因果モデルの妥当性を検証することである。

方法:
はじめに先行研究にもとづき、認知されたリスク、認知されたベネフィット、信頼の因子が遺伝子組み換え技術の容認を決定する重要な心理的な要因として、構造方程式モデルに組み入れた。追加の因子として、バイオテクノロジーの容認に重要と考えられる“生命倫理感”をモデルに加えた。
前回の研究にもとづき、信頼は認知されたリスクとベネフィットを通して遺伝子組み換え技術の容認に間接的な影響を与える因子として組み入れられた。
参加者は日本の231人の学生で、5ポイントの両極尺度を用いた質問紙に答えた。

結果・考察:
提案モデルがデータによく適合することを示し、遺伝子組み換え技術の受容は、植物、動物、人間への応用であろうとなかろうと認知されたリスク、認知されたベネフィット、信頼、生命倫理感の4因子によって大部分が説明できることを示した。
しかし、4因子の相対的重要度は遺伝子組み換え技術が植物、動物、人間のどれに応用されるかによって変化することがわかった。特に、生命倫理感の因子は植物と動物の遺伝子組み換え技術の容認に最も重要な因子であり、信頼と認知されたリスクの因子は人間の遺伝子組み換え技術の容認で最も重要な因子だった。


<ジャーナルクラブでのディスカッション>
■研究の社会的な意義が不明瞭であること

■論文内で通論とされて述べられているところは参考文献や客観的資料を引用しなくてよいのか

■方法で述べられているサンプルの妥当性などはディスカッションで述べるべきではないか

■回答者の男女比の偏りが大きすぎではないか

■5ポイントのスケールを用いることで“分からない”の回答と“どちらでもない“の回答が混ざることはよいのか



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