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社会医学講座 | 山梨大学医学部

Department of Health Sciences,Basic Science for Clinical Medicine,
Division of Medicine, Graduate School Department of Interdisciplinary Research,
University of Yamanashi

ジャーナルクラブ通信バックナンバー

トップページ ジャーナルクラブ通信バックナンバー検索 2009.4.22

2009年4月22日 担当:近藤

Built environment and 1-Year change in Weight and Waist Circumference in Middle-Aged and Older Adults.
~ 既存の環境と中高年の1年間の体重およびウェスト周囲径 ~
出典: American Journal of Epidemiology 2009. 169(4): 401-408
著者:Li F, Cardinal BJ, Bosworth M, Johnson-Shelton D et al.
<論文の要約>
概要:
ベースライン時50-75歳を対象者として、対象者の住む環境(ファストフードレストランの数と歩行運動のしやすさ)および外食と身体活動が1年後の体重と関連するかを調べた。
米国オレゴン州ポートランドにある120地域1145人を調査した。
1年間で、平均して1.72kg(SD4.3)体重が、ウェスト周囲が1.76cm(SD5.6)増加した。多重レベル分析によって、ファストフードレストランがたくさんある地域に住む人で同レストランに頻回に通う人は体重1.4kg、ウェスト2.04cm有意に増加した。反対に歩行環境がよい地域に住み、運動を積極的に行っていた人々の体重は1.2kg, ウェストは1.57cm減少した。
ファストフードがたくさんあるという悪環境と個人の悪い食習慣は共同して体重増加を引き起こすことがわかった。また居住環境がよく運動もよく行っている人は健康的な体重を維持できることが示唆された。

<ジャーナルクラブでのディスカッション>
■公衆衛生の観点から都市デザインを考える際のエビデンスを提供し得る研究。大変興味深い。
■よりよい健康習慣を持つ人が、そのための資源の豊富な地域に居住する、またはその逆の関連性があり、地域特性と個人の行動とは独立ではない。多重レベルであっても、因果推定上は、一般的な回帰分析よりも洗練された手法が求められる。
■ファストフード関連の因子と運動関連の因子(個人レベル・地域レベルともに)間の関係性を次に調べる必要がある。
■サンプリング法についての説明がいまいちすっきりしない。ベースライン時の参加率48%とのことだが、これだと各ブロックからの抽出人数が平均してもっとたくさん必要なように思われるが・・



 ジャー吉:「3年ぶりに帰ってきたよー!」

 クラ坊:「ばぶー!(ぼくも帰ってきたよー!)」

 ナル美:「2人ともおかえりー!あれ、ずいぶん太った?
                                                          アメリカでファストフード食べ過ぎたんじゃない」

 ジャー吉:「いやー、だってうちの両隣ファーストフード屋だったもんで、つい…」

 クラ坊:「ばあぶ…(だって両隣ベビーフード屋だったもんで、つい…)」

 ナル美:「…ベビーフード屋ってあり?…ていうかクラ坊、もう3歳以上のはずよね…」


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