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社会医学講座 | 山梨大学医学部

Department of Health Sciences,Basic Science for Clinical Medicine,
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University of Yamanashi

ジャーナルクラブ通信バックナンバー

トップページ ジャーナルクラブ通信バックナンバー検索 2009.5.20

2009年5月20日 担当:丸山

The Relation Between Body Size Perception and Change in Body Mass Index Over 13 Years
~ 13年にわたるボディーサイズの認知とBMIの変化との関係 ~
出典: American Journal of Epidemiology,Vol. 169, No. 7, 2009
著者:Elizabeth Lynch, Kiang Liu, Gina S. Wei, Bonnie Spring, Catarina Kiefe, and Philip Greenland
<論文の要約>
目的:
1992-2005年のCARDIA研究から、黒人男女、白人男女のボディーサイズの認知と、13年間にわたる体重の変化との関係を評価する。

方法:
自己認知と理想のボディーサイズは、1992-1993年の7年目の調査のときにスタンカードの9つの図のスケールを用いて測定された。 図は、標準体重に達しない、標準、太りすぎ、肥満体に分類された。自己と理想の不一致から、4つのボディーサイズ満足カテゴリーを算出した。 7年10年15年20年で測定されたBMIは、7年目のBMIによって層化された年齢を調整した重回帰モデルにおける独立変数とした。

結果:
肥満体として認知していた肥満体の女性は、毎年0.09BMIユニット減少した。一方、標準体重として認知した人は、毎年0.31ユニット増加した(P=0.0005)。 ボディーサイズが非常に大き過ぎると考えていた肥満体の女性は、ボディーサイズが少し大き過ぎると考えていた人より、毎年の体重増加が少なかった(0.21対0.38BMIユニット; P=0.009) 。太りすぎというボディーサイズ像をもっている肥満体の女性は、標準体重というボディーサイズ像を持っている女性よりも体重増加が少なかった(0.12対0.27BMIユニット; P=0.04)。男性の結果は、より少なく、より弱い関連を示した。

結論:
肥満体の女性が、肥満体として認知して、自身のボディーサイズが大き過ぎると感じているとき、時が経過するとより少ない体重を得ることができる。

<ジャーナルクラブでのディスカッション>
■自己理想の回答において、自己の体重コントロールの目標である理想像と、社会的理想像の両方が含まれる可能性がある。

■考察されているように、ボディーサイズ認知も、体重変化とともに変化するはず。それが考慮されていない点は限界。



 ナル美 : 「私ってモデル並みの体型よね、うふふ」

 ジャー吉 : 「ナル美…汝自身を知れ。」


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