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社会医学講座 | 山梨大学医学部

Department of Health Sciences,Basic Science for Clinical Medicine,
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University of Yamanashi

ジャーナルクラブ通信バックナンバー

トップページ ジャーナルクラブ通信バックナンバー検索 2009.5.27

2009年5月27日 担当:芳我

Maternal Infant-Feeding Style and Children's Adiposity at 5 Years of Age
~ 母親の乳幼児期における食事の与え方と5歳児の体脂肪量 ~
出典:Arch Pediatr Adolesc Med. 2006;160:513-520
著者:Hillary L. Burdette, MD, MS; Robert C. Whitaker, MD, MPH; Waynitra C. Hall, MS; Stephen R. Daniels, MD, PhD
<論文の要約>
目的:
母親の乳幼児期における食事の与え方と子どもの体脂肪量の間の関係を明らかにすることと、食事の与え方が母親の肥満と子どもの体脂肪量の間の関連を説明するかどうかを明らかにすること。

デザイン:
前向きコホート研究

研究地域:
米国Ohio州Cincinnati の大都市地域

対象者:
全対象者は入園前の幼児313人。80%が白人で20%が黒人。

メインアウトカムの測定:
母親の乳児期における食事の与え方を説明する7つの因子を3歳児の調査で抽出した。また、母親の肥満は妊娠前のBMI30以上とし、5歳の体脂肪量については二重エネルギーX線吸収測定法を用いて評価した。

結果:
脂肪量の平均値±SDは、4.55±1.64Kgであった。17%の母親は、妊娠前に肥満であった。児の食べ過ぎや過体重になることに高い関心のある母の子どもは、高くない母の子どもよりも0.67kg脂肪量が高値であった。その他の6因子は、どれも子どもの肥満と関連していなかった。肥満の母の子どもは、非肥満の子どもよりも0.54kg重かった。幼児期の食べ過ぎについて関心が高いことは、肥満の母に共通する特徴であり、0.54kg重い理由の15%を説明していた。

結論:
乳児の食べ過ぎや過体重について、母が関心をもつことは5歳時の高体脂肪率と関連しており、母の肥満と子どもの体脂肪の間の関連の一部を説明した。

<ジャーナルクラブでのディスカッション>
■基本的によくかけている。テーマも面白い。

■測定の妥当性信頼性についての限界点を踏まえた上での結果の解釈があまりなされておらず残念。たとえば母親のBMIを算出する際に収集したデータが自己申告である・父親の体格が未測定といった点が同結果に影響するか。

■連続値あるいは2値化したアウトカムごとに2種類の解析をし、似通った結果になっている。どちらか一方でよいような。

■遺伝素因によるadiposityと環境要因にそれをどう分類するか。測定の困難さと、変化する変数を複数考慮した複雑な因果モデルの構築が必要な分野である。結論を導くにはより洗練された手法が必要。



 クラ坊 : 「ばぶー(この前の3歳児健診で太り気味って言われちゃった。最近母さんが『チョコミルク飲みすぎ』って口うるさく言うから反対についつい飲みすぎちゃうんだよね)」

 ジャー吉 : 「僕も人間ドックでメタボって言われた。僕もナル美がスナック食べるなってうるさいからつい意地で食べちゃうんだよね。言われすぎるとよくないよね。」

 クラ坊 : 「ばぶ(そういうのあるよね)」

 ナル美 : 「人のせいにしないで自己管理しなさい!」

 ジャー吉 : 「はいはーい」


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