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山梨大学大学院総合研究部医学域 社会医学講座

社会医学講座 | 山梨大学医学部

Department of Health Sciences,Basic Science for Clinical Medicine,
Division of Medicine, Graduate School Department of Interdisciplinary Research,
University of Yamanashi

ジャーナルクラブ通信バックナンバー

トップページ ジャーナルクラブ通信バックナンバー検索 2010.6.30

2010年6月30日 担当:安田

The relationship between lifestyle and self-reported health in a general population The Inter99 study
~ 一般集団におけるライフスタイルと自己報告による健康との関係 ~
出典: Preventive Medicine 49(2009)481-423
著者: Charlotta Pisinger, Ulla Toft, Mette Aadahl, Charlotte Glummer, Torben Jorgensen
<論文の要約>
目的:
一般的な集団で喫煙状況、食習慣、身体活動、飲酒と自己報告による精神的および身体的健康の関係を明らかにすること。

デザイン:
コホート研究

セッティング:
デンマーク、コペンハーゲン

対象者:
30-60歳の男女61301人 Inter99‐Study参加者

結果:
ベースラインで介入群6305人(92.3%)、コントロール群3017人(72.4%)がSF-12に回答した。横断研究では、ベースラインで不健康なライフスタイルの人は健康的なライフスタイルの人よりも有意に精神的および身体的健康が悪かった。縦断データでは、調整済みの多変量解析(N=3084)を用いて、介入頻度が高いグループは5年後に身体活動が増加したことと身体的健康の改善に関連(OR:2.30 95%CI1.7-3.2)が見られた。また精神的健康の改善にはベースラインよりも5年後に食生活がより健康的に変化したことが関連(OR:1.68 95%CI1.1-2.5)していた。

結論:
本研究では一般的な集団において不健康なライフスタイルと自己報告による精神的および身体的健康には負の関係がみられる。また、自己報告による健康にはライフスタイルの改善が影響している。

<ジャーナルクラブでのディスカッション>
■介入を行なっているので介入効果を検証すべきではないか。しかし、時系列の変化を観察しているためモデルが複雑になっている。

■カテゴリー化した基準が不明確である。例えば、心血管疾患へのリスク保持の高群・低群、ライフスタイルの変化が大きい群・小さい群など。

■ベースラインからフォローアップまでのライフスタイルの変化についてフロア効果やシーリング効果を考慮していない。対象者が少ないわけではないのでベースライン時のSF-12得点で階層化するなど検討してはどうか。


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