2010年10月6日　担当：貫井、高橋、丸山

＜論文の要約＞

目的：
客観的に図られた睡眠時間がBMIやBMIの変化に関連しているかを明らかにする。

デザイン：
コホート研究

セッティング：
調査中の中年成人コホートの睡眠計測にアクチグラフを使用した。線型回帰により平均睡眠時間もしくはfragmentation（アクチグラフにより計測される睡眠の質）がBMIと交絡因子を調整した5年後のBMIの変化に関連するかを調べた。

対象者：
612名の被験者

結果：
被験者の平均睡眠時間は6.1時間で4つのグループに分けられた。未調整の横断研究では、睡眠時間が短いほど、もしくはfragmentationスコアが大きいほど、高いBMIと関連した。調整後は、睡眠（時間）カテゴリーが上昇するとBMIは0.78kg/m2（95％信頼区間-1.6,-0.002）減少した。その関連はいびきをかく人はそうでない人より強かった。睡眠測定値とBMIの変化に縦断的な関連はなかった。

結論：
客観的睡眠計測をした場合の睡眠時間とBMIの横断的な関連は確信しているが、睡眠がBMIの変化を予測するかは分からなかった。横断的な関連の背後のメカニズムは明らかではない。

＜ジャーナルクラブでのディスカッション＞

■睡眠に影響を及ぼすと考えられる、アルコール、仕事、服薬を独立変数に追加する必要があるのではないか。
■睡眠データがBMI測定よりかなり後になっており、横断分析では時間関係が逆になってしまっている。ベースラインで
■BMIは、縦断分析では実測値で解析をしているが、縦断の分析ではBMIの変化量をみている。上記のように時間関係に問題があるため、この部分の解釈も難しい。