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社会医学講座 | 山梨大学医学部

Department of Health Sciences,Basic Science for Clinical Medicine,
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University of Yamanashi

ジャーナルクラブ通信バックナンバー

トップページ ジャーナルクラブ通信バックナンバー検索 2014.2.26

2014年2月26日 担当:Wei Zheng

Age, Period and Cohort Effects on Adult Body Mass Index and Overweight from 1991 to 2009 in China: the China Health and Nutrition Survey
~ 1991年から2009年までの中国の成人BMIと過体重に対するAge-Period-Cohort効果:中国健康栄養調査 ~
出典: Int. J. Epidemiol. (2013) 42 (3): 828-837.
著者: Lindsay M Jaacks, Penny Gordon-Larsen, Elizabeth J Mayer-Davis, Linda S Adair and Barry Popkin
<論文の要約>
背景:
適切な介入をするために、中国成人のBMIと過体重に対するAge-Period-Cohort効果を解明すべきだ。研究の目的は、(1)1991年から2009年までの中国成人のBMIと過体重のピリオドエフェクトを記述することと、この効果に対する年齢(コホート効果)と性別の修飾効果を評価すること、(2)これらの効果に対する世帯収入と都市部在住の影響を定量化すること。

方法:
研究データは中国健康栄養調査からの中国の九の省の前向きサンプルである。19年間に18059人から53298件のobservationsを収集した。いくつかの混合モデルを用いて、個人内でのBMIの経時的な違い(年齢効果)、全体レベルのBMIの経時的な違い(ピリオドエフェクト)、と年齢層による違ったピリオドエフェクト(コホート効果)を解明した。

結果:
男性は女性に比べて、BMIと過体重のピリオドエフェクトが強かった。若年コホートは高齢コホートに比べて、BMIは高かった。シミュレーションの結果は、1991年から2009年までの収入増加と都市化の程度に応じて、平均BMIが変化した(0.07-0.23kg/m2)。

結論:
男性のBMIのピリオドエフェクトは強かったが、若い女性に対する介入を見落とすべきではない。なぜなら、高齢女性に比べて、若い女性の過体重のリスクが高くなっていたからである。

<ジャーナルクラブでのディスカッション>
■日本でも、国民健康栄養調査などの個人レベルでのデータを用いれば、同様の検討が行えるのではないか。

■個人で全ての調査回に参加している人がいるので、繰り返しデータとして考慮する必要があったのではないか。

■サンプリングの詳細が不明である(HPより;サンプリングは、地理、経済発展、公共資源、および健康指標が異なる9省から、収入により層別化を行い、多段階ランダムクラスタサンプリングを行った)。

■年収の表し方が平均値でよいのか、分布が偏っているのでは無いか(HPに記載あり;例えば、18~60歳のすべての参加者の平均年収は5391.7(SD =16568)元であった。 5th, 10th, 25th, 50th, 75th, 90th, 95thパーセンタイル値は0、0、0、0、7200、15900、22450元であった)。

The data can be downloaded from 'http://www.cpc.unc.edu/projects/china' for free.

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