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社会医学講座 | 山梨大学医学部

Department of Health Sciences,Basic Science for Clinical Medicine,
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ジャーナルクラブ通信バックナンバー

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2017年2月15日    担当:長野

Association of “Weekend Warrior” and Other Leisure Time Physical Activity Patterns With Risks for All-Cause, Cardiovascular Disease, and Cancer Mortality
~ 「weekend warrior」と他の余暇身体活動パターンと全原因、心疾患およびがんによる死亡リスクの関連 ~
出典: JAMA Intern Med.9 January 2017.doi:10.1001/jamainternmed.2016.8014
著者: Gary O’Donovan, I-Min Lee, Mark Hamer, Emmanuel Stamatakis
<論文の要約>
【目的】
「weekend warrior」とその他の身体活動パターンにおける全原因と心血管疾患とがんによる死亡のリスクの関連性を調査すること

【デザイン】
コホート研究

【セッティング】
英国イングランド地域とスコットランド地域

【参加者】
Health Survey for EnglandおよびScottish Health Surveyに参加する40歳以上の住民63,591人

【主要アウトカム測】
死亡診断書から確認された全原因と心血管疾患およびがんによる死亡

【結果】
63,591人の成人参加者(男性45.9%、女性54.1%、平均年齢58.6±11.9歳)のうち、561,159人年のフォローアップ期間中に8,802人が死亡し、そのうち心血管疾患死亡は2,780人、がんによる死亡は2,526人であった。運動習慣の「inactive」と比較して、全原因による死亡のハザード比は「insufficiently」で0.66(95%信頼区間:0.62-0.72)、「weekend warrior」で0.70(95%信頼区間:0.60-0.82)、「regularly active」な参加者は0.65(95%信頼区間:0.58-0.73)であった。「inactive」と比較して、心血管疾患による死亡のハザード比は、「insufficiently」で0.60 (95%信頼区間:0.52-0.69)、「weekend warrior」で0.60 (95%信頼区間:0.45-0.82)、「regularly active」は0.59(95%信頼区間:0.48-0.73)であった。「inactive」と比較して、がんによる死亡のハザード比は、「insufficiently」で0.83(95%信頼区間:0.73-0.94)、「weekend warrior」で0.82(95%信頼区間: 0.63-1.06)、「regularly active」は0.79(95%信頼区間:0.66-0.94)であった。

【結論】
一般的な身体活動ガイドラインの遵守に関わらず、週に1~2回運動する「weekend warrior」および他の余暇活動は、全原因、心血管疾患およびがんによる死亡リスクを軽減するのに十分であるかもしれない。


<ジャーナルクラブでのディスカッション>
    ■Health Survey for EnglandとScottish Health Surveyの対象地域はそれぞれイングランドとスコットランドであり、参加者が重複することはないようだ。対象集団を簡単に論文に明記する方が分かり易くなる。
    ■若年層では心血管疾患の原因が先天的異常である可能性が高いため、参加者の基準を40歳以上としている。ところが高齢者に対しては年齢制限を設けていない。退職後のライフスタイルを考慮するべきだったのではないか。
    ■因果の逆転を防ぐために、ベースライン直後の24カ月以内に死亡した者を除外している。24ヶ月の根拠が欲しい。
    ■1週間に1~2回、150分以上の中強度の身体活動をすることまたは75分以上の高強度の身体活動をすることである「weekend warrior」がタイトルで強調されている。この研究の結果は「weekend warrior」よりも運動負荷の少ない「insufficiently」で十分に死亡リスクを減らせる、というものであった。タイトルと論文のメッセージに乖離があるのではないか。


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