目的・目標

総合分析実験センターは、山梨医科大学当時の実験実習機器センターと動物実験施設を統合して平成14年に設置された、全学の医学・生命科学分野の研究・教育活動を支援する共同利用施設である。総合分析実験センターは、旧実験実習機器センター時代から「いつでも、だれでも、すぐに、簡単に」の考え方を根本に共同利用設備および機器の管理・運用を行い、学内および学内の研究者と学外の産・学・官との様々な連携研究の利用者に対し、その基本的研究環境とサービスを提供することを目的とする。動物実験施設についても、「安全で倫理的な動物実験の円滑な実施」を基本として着実に運営してきた。現在においてもその基本姿勢に変わりはなく、医学部以外からの機器・動物の使用や研究手法の相談も積極的に受けている。特に医学・生物学的研究環境、具体的には疾患の新たな早期診断法・治療法・予防法の開発研究を推進する再生医療、遺伝子治療、遺伝子組換え動物を用いた疾患モデルなどの先端的研究に必須の機器・設備等を備えた環境を早急に整備することを目指している。本センターは、機能解析分野、資源開発分野、放射線分野の3つの部門から構成される。上記のような様々な形の研究プロジェクトによって行われる最先端の医学・生物学研究を、3分野によって管理・運営する研究環境を安定的に維持し、利用者をサポートすることを目標としている。

計画

本センターでは医学・生物学分野の研究の動向や新型機器の研究開発情報から先端的研究を支援するために新規にどのような機器を整備することが必要かについて検討を適時行うとともに、必要に応じて新しい計測技術や応用方法等についてセンター主催の学術セミナーを開催して利用者への情報提供を行っている。さらに電子掲示板を用いて学内すべての利用者に対して適時行う購入希望機器アンケートの結果、および常時受け付けている購入希望物品提案書から得られる利用者の意向を把握し、共同利用実験室の新規導入・更新の機器選定に役立てている。本センターはあくまで学内共同利用施設であることから、購入希望機器の評価は、以下の観点すなわち、①できるだけ高い利用率が期待できること、②種々の研究に利用できるような汎用性のある機種・仕様であること、③機器の保守費用および消耗品等の維持費用は適切である等の点を基準として行い、機器・機種・仕様の候補を選定する。

既存の機器については導入年度と保守整備の頻度等を考えつつ利用状況を常に正確に把握し、稼動率の高い機器は更新の時期、資金について検討する。一方、稼動の低い機器、および稼動の停止している機器については、稼動停止して維持コストの低減化を行うか、共同施設として継続的に維持していくべきかを適時検討し、管理費用の効率化を一層進める。機器の保守費用および消耗品等の維持費用は、運営費のみでは賄いきれない可能性があり、各種研究プロジェクトへの申請段階からの機器購入だけでなく維持費用を含めた計画および、資金獲得に伴う間接経費からの経費支援を求める必要性も生じてくるものと考えられる。

上記のような点を考慮し設備要求等に関するセンター案を作成し運営委員会で決定する。

機器の更新のための資金としては以下のものが考えられる。

上記のほか、国立大学法人生命科学研究機器施設協議会の施設間相互支援サービスを利用した他大学の共同利用施設機器を利用した研究支援の活用、および甲府キャンパス・機器分析センターが参加している大学連携研究設備ネットワーク(旧化学系汎用機器共同利用ネットワーク)に対する本センターからの機器の購入設置要求の方法も適時検討を行っている。

事業運営体・管理体制

総合分析実験センターは、山梨大学附属の学内共同教育研究施設の1つであり、学内すべての利用者を対象として、その医学・生物学研究を支援する部門である。本センターは、機能解析分野、資源開発分野、放射線分野の3つの部門から構成される。本センターの運営は、センター長、各分野主任、および学内の各学部から選任された教員で構成される運営委員会により行われている。