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国立大学法人

山梨大学大学院総合研究部医学域 社会医学講座

社会医学講座 | 山梨大学医学部

Department of Health Sciences,Basic Science for Clinical Medicine,
Division of Medicine, Graduate School Department of Interdisciplinary Research,
University of Yamanashi

おしらせ

Journal Club 通信を更新しました      2017.2.16

Journal Club 通信を更新しました      2016.12.20

2016年の業績を更新しました      2016.8.2

2015年の業績を更新しました      2016.8.2

Journal Club 通信を更新しました      2016.7.19

教室員の紹介、大西特任准教授の紹介を追加しました      2016.7.12

Journal Club 通信を更新しました      2016.7.12

2016年の業績を更新しました      2016.7.12

Journal Club 通信を更新しました      2016.6.29

English Profileを更新しました      2016.6.20

教室員の紹介、針谷助教の紹介を追加しました      2016.6.20

教室員の紹介、三宅講師の紹介を追加しました      2016.6.17

教室員の紹介、秋山助教の紹介を追加しました      2016.6.17

教室員の紹介、横道准教授の業績を更新しました      2016.6.13

Journal Club 通信を更新しました      2016.6.6

教室員の紹介を更新しました      2016.6.1

Journal Club 通信を更新しました      2016.5.27

講座の沿革を更新しました      2016.5.25

教室員の紹介を更新しました      2016.5.25

2011年の業績を追加しました      2016.5.11

2013年の業績を追加しました      2016.5.11

教室員の紹介を更新しました      2016.5.2

教室員の紹介、横道助教の業績を更新しました      2016.4.13

教室の方針を更新しました      2016.4.11

研究内容を更新しました      2016.4.11

講義内容を更新しました      2016.4.11

教室員の紹介を更新しました      2016.4.11

大学院生・研究生の紹介を更新しました      2016.4.11

講座の沿革を更新しました      2016.4.11

Journal Club 通信を更新しました      2016.4.11

Journal Club 通信を更新しました      2016.4.7

リンクのページに、第27回日本疫学会学術総会を追加しました      2016.2.3


以前の更新情報はこちらから

Journal Club 通信

ジャーナルクラブは疫学論文のCritical Reviewを行なう会です
毎週水曜日午後6時~7時 本講座で開催
このコーナーでは毎週のクラブの報告をいたします

2016年12月14日    担当:大岡

70-Gene Signature as an Aid to Treatment Decisions in Early-Stage Breast Cancer
~ 早期乳がんに対する治療決定の支援としての70遺伝子について ~
出典: The New England Journal of Medicine 2016; 375:717-729
著者: F.Cardoso, L.V.van’t Veer, J Bogaerts, M.Priccart et al. for the MINDACT investigators,
<論文の要約>
【背景】
70遺伝子試験(MammaPrint)により、女性の早期乳がんの臨床的な結果を予測することが改善してきた。我々は、補助療法を用いる患者を選ぶ際に用いる標準的な臨床的・病理学的基準に更に70遺伝子を追加することの臨床的有用性を検討するため、前向き研究のエビデンスを模索した。

【方法】
この第3相研究のランダム化比較試験には6693人の早期乳がんをもつ女性が参加した。70遺伝子を用いることにより遺伝子的なリスクを、Aduvant! Online(乳がんの術後補助療法を試算するツール)を用いることにより臨床的なリスクを同定した。臨床的リスクが低く且つ遺伝子的リスクが低い場合女性は化学療法の対象とならなかったが一方、それら2つともリスクが高い女性は化学療法の対象となった。2つのリスクの結果が一致していない場合には、どちらかのリスクをもって化学療法を行うかどうかの決定を行った。この研究の主要な目的は、高い臨床的リスクを持つ一方で低い遺伝子的リスクをもつようなこれまで化学療法を受けていなかった患者で、遠隔転移無しでの5年生存率が95%信頼区間の下限である92%(即ち非劣性検定の下限)を上回るかどうかを調べることであった。

【結果】
合計1550人(23.2%)が高い臨床的リスクと低い遺伝子リスクを持つとされた。化学療法を受けていない群で遠隔転移無しでの5年生存率は94.7% (95%CI, 92.5–96.2)となった。化学療法を受けていない患者と受けた患者での生存率の差は1.5%となり、化学療法無しでの生存率の方が低くなった。ER (エストロゲン受容体)陽性の患者とHER2陰性の患者、リンパ節転移陰性または陽性の患者では遠隔転移無しでの生存率はほぼ同じ生存率となった。

【結語】
腫瘍再発に対し高い臨床的リスクと低い遺伝子的リスクをもつ、女性の早期乳がん患者では、70遺伝子の情報をふまえて化学療法を受けないことは、遠隔転移無しでの5年生存率を、化学療法を受けた群よりも1.5%低下させる。これらの成果から、高い臨床的リスクを持つ女性乳がん患者の46%は化学療法を必要としないのかもしれない。


<ジャーナルクラブでのディスカッション>
◯ 研究対象がヨーロッパ諸国の患者のみに限られている。遺伝子は国や地域により多様性があるため、中東やアジア諸国の患者でも同様の結果が出るとは限らないのではないか。

◯ 全ての患者が事前に乳がん切除術を行っているが、腫瘍の切除マージンや術者の熟達度、手術中の有害事象等のAdjuvant! OnlineやMammaPrintに含まれない手術関連因子について、臨床的・遺伝子リスクにより分けられた4群間で偏りがある可能性がある。

◯ 計4種類の化学療法が患者に割り当てられている。それら全てを統一して非化学療法群と生存率の比較をしている。使用した化学療法の種類により生存率や副作用の強さに違いがあるため、それらについてより詳細な検討が求められる。

◯ Figure 2.のmain outcomeである曲線Aでは、化学療法群と非化学療法群の生存率において治療開始後7年以降は殆ど差がないものの、治療開始5年〜7年までは生存率に差が出ている様に見える。治療開始後の年数による生存率の差についての記載があると良い。

◯ 化学療法の副作用の存在を理由に化学療法を行わない群を選択することのメリットを強調するのであれば、化学療法の継続がどの程度対象患者のADLに影響していたかを定量的に示す必要があるのではないか。

◯ 医療費の増大や医療の個別化が進むに従い、遺伝子解析を用いた今研究のようなstudyは増えてくるだろう。遺伝子による疾患予測や治療判定に関するエビデンスが増えるのは良いことだが、これらには必ず倫理的な問題が付随するので、国や企業にはより慎重な使用が求められるだろう。


最近のジャーナルクラブ通信

2017.2.8 Incidence of Dementia over Three Decades in the Framingham Heart Study
~ フラミンガム心臓研究における30年間での認知症発症率 ~
2016.12.14 70-Gene Signature as an Aid to Treatment Decisions in Early-Stage Breast Cancer
~ 早期乳がんに対する治療決定の支援としての70遺伝子について ~
2016.11.30 Effect of Palliative Care–Led Meetings for Families of Patients With Chronic Critical Illness A Randomized Clinical Trial
~ 長期重症患者の家族に対する緩和ケア医師主導ミーティングの効果について―無作為比較試験 ~
2016.11.16 Enrique Regidor, Fernando Vallejo, José A Tapia Granados, Francisco J Viciana-Fernández, Luis de la Fuente, Gregorio Barrio
~ 社会経済的集団ごとにみた、スペインの経済危機の間の死亡率の変化:3600万人のコホート研究 ~
2016.11.2 Secondhand smoke and incidence of dental caries in deciduous teeth among children in Japan: population based retrospective cohort study
~ 日本の子どもにおける2次喫煙と乳歯う蝕の発生との関係:集団後ろ向きコホート研究 ~
2016.10.12 A Randomized Trial of Low-Cost Mesh in Groin Hernia Repair
~ 鼠径ヘルニアの修復における低コストメッシュのランダム化試験 ~

Last Update: 2016.8.2

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