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掲載日:2021.2.22 お知らせ

【プレスリリース】急性リンパ性白血病に対する治療薬のゲノム薬理学的な効果を解明 ―個別化治療への道を拓く成果―

 山梨大学医学部小児科学講座と社会医学講座の共同研究チームは、スウェーデンのUppsala大学と英国のWellcome Sanger研究所をはじめとする国内外の研究施設との国際共同研究によって、小児がんで最も多い急性リンパ性白血病に対する基本治療薬であるアスパラギナーゼの作用を、ゲノム薬理学的に明らかにしました。

研究成果のポイント

  1. 急性リンパ性白血病のアスパラギナーゼ感受性が、アスパラギン合成酵素遺伝子の不活性化と関連することを明らかにしました。
  2. 急性リンパ性白血病の治療成績は、それぞれの症例の白血病細胞が持つ染色体異常のタイプと強く関連していますが、白血病細胞におけるアスパラギン合成酵素遺伝子の不活性化状態が、その染色体異常のタイプと強く関連していることが明らかになりました。
  3. アスパラギン合成酵素遺伝子は、太古に哺乳類が進化して胎盤形成できるようになった過程で獲得したウイルス由来遺伝子(PEG10)と隣接していますが、その不活性化状態がPEG10遺伝子の不活性化状態と強く相関することが明らかになりました。
  4. 白血病細胞のアスパラギン合成酵素遺伝子の不活性化状態を評価することで、それぞれの症例におけるアスパラギナーゼの効きやすさを予測することが可能となり、より効果的で安全な治療法の確立へと繋がることが期待されます。

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