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掲載日:2017.12.01 お知らせ

プレスリリース

山梨県内初の経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)に成功
~山梨県下で唯一の実施施設~

 

 山梨大学医学部附属病院の第2外科中島博之教授をはじめとするハートチーム(注1)は、大動脈弁狭窄症(注2)に対する新しい治療である経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)を、山梨県内で初めて成功しました。
 高齢者に多い大動脈弁狭窄症ですが、TAVI という治療の認知度はまだまだ低い状況です。今回、山梨県内初のTAVI による治療の成功を公表することで、このような治療の選択肢の存在を一般に広く知っていただくことに貢献出来るものと考えています。
つきましては、新聞紙面またテレビ等々でご紹介いただければ幸いです。なお、取材を希望される方は、事前に担当(医学部附属病院広報担当)までご連絡をお願いいたします。

 

【TAVI について】
 TAVIは、「重症大動脈弁狭窄症」に対する新しい治療法で、カテーテルで生体弁を患者さんの心臓に植え込みます。身体への負担が少なくこれまで手術に耐えられない方などにも治療可能です。TAVIは外科手術が困難な患者さんへの新しい治療法として、日本では2013年10月に保険収載されました。TAVIは心臓/血管に対するカテーテル治療件数・心臓手術件数や治療する環境整備など厳しい基準をクリアした施設しか実施できない治療で、山梨県では当院が唯一のTAVI実施施設です。
 TAVIは、足の付け根などから バルーンカテーテル(縮ませた風船の上に折り畳まれた人工弁(生体弁)を搭載)を挿入し、大動脈弁の内側で拡げて生体弁を植え込みます。TAVIは人工心肺装置を使用しないため、開胸も心臓を止める必要もないので、手術時間が短い、身体への負担が少ない、術後の回復が早いなどの利点があります。今回の患者さんは87歳とご高齢にも関わらず、手術当日より水を飲んだりすることができ、翌日よりリハビリを兼ねた歩行が可能でした。術後の寝たきりを防ぐことができました。
 大動脈弁狭窄症患者には高齢者が多いため、治る可能性があるケースでも外科手術に消極的な患者さんや医療関係者も多く、また一方で、TAVIという治療の認知度はまだまだ低い状況です。

今回、山梨県内においてもTAVI治療ができるようになったことを公表することは、このような新しい治療選択肢の存在を一般に広く知っていただくことに貢献できるものと考えています。

 

【事 例】
・患者さんは笛吹市在住の87 歳女性。
・高血圧、慢性腎不全、陳旧性脳梗塞、骨粗鬆症で通院加療中でした。
・呼吸困難と全身浮腫が出現し、腎不全の悪化と大動脈弁狭窄症(※)による重症心不全と診断され当院に紹介入院されました。
・薬物療法のみでは、入院前と同じ生活までの回復が困難でした。
・87 歳と高齢でありましたが、一人暮らしでこれまで畑仕事などもされていた方であり、当院ハートチームによる議論の末、経カテーテル大動脈弁植え込み術の施行を決定しました。
・2017 年10 月11 日、山梨大学医学部附属病院ハートチーム、中島博之心臓血管外科長、久木山清貴循環器内科長、松川隆麻酔科長の下、小林 剛助手(循環器内科)の執刀(カテーテル手技)により山梨県内初となるTAVI の治療に成功しました。
・患者さんは、手術当日より飲水が可能で、術翌日には立位、歩行を含むリハビリテーションが可能でした。
・術後経過は良好で、2017 年10 月20 日、ご自宅へ独歩で退院されました。

 

注1<ハートチームについて>
 TAVIはカテーテル治療医のみで施行できる治療ではなく、それぞれの分野に精通した多職種の医療スタッフの力を結集してはじめて可能となります。山梨大学医学部附属病院では、循環器内科医師・心臓血管外科医師・放射線科医師・麻酔科医師・看護師・臨床工学技士・放射線技師・理学療法士・臨床検査技師・薬剤師などが集結して、専門分野を横断したハートチームを形成しており、治療方針の決定や術前・術中・術後を通してチーム医療で診療にあたっております。我々山梨大学ハートチームは治療の適応を十分考慮した上で、TAVI、外科的(手術)治療、薬物治療、バルーンカテーテル治療(生体弁を留置せずバルーンで大動脈弁を拡張するだけの治療)などを駆使し、大動脈弁狭窄症の治療に貢献できるよう努力を続けたいと考えております。

 

 注2<大動脈弁狭窄症について>
 心臓弁膜症のひとつで、心臓と大動脈を隔てている弁(大動脈弁)の動きが悪くなり、心臓内に強い圧負荷がかかり、全身に十分な血液を送り出しにくくなる病気です。さまざまな原因がありますが、近年は加齢や動脈硬化が原因の場合が増えてきています。つまり年齢が上がれば頻度が増加し進行する病気です。75 歳以上の重症大動脈弁狭窄症有病率は3.4%と報告されており、平成28 年度では山梨県における75 歳以上の高齢者人口は約12 万人との報告から見積もると少なくとも4000 人の重症大動脈弁狭窄症患者がいると推定されます。大動脈弁狭窄症は進行するまで症状が現れにくく、他の病気の検査などで見つかることもよくあります。重症になると胸痛、失神、息切れ、全身倦怠感などの症状が現れますが、高齢者では年のせいだと見過ごされてしまうことも少なくありません。症状が出現してからの余命は失神が現れると3年、息切れではわずか2年しかなく、しかも突然死の起こり得る非常に恐ろしい病気です。超高齢社会にとっては、生活の質を脅かす大敵となります。
 薬による内科的な治療では病気の進行を抑えることはできないため、重症になると、これまでは胸を開いて大動脈弁を人工弁に置き換える方法(大動脈弁置換術)しか治療法がありませんでした。しかし、大きな傷で人工心肺装置を使って心臓を止める必要があるなど、身体への大きな負担があるため、高齢の方や他の病気を患っている方では、手術が無理だと判断される場合が多くありました。

 

<問合せ先>
医学部総務課総務グループ 込山
TEL:055-273-2010 /FAX:055-273-7108
E-mail:tkomiyama@yamanashi.ac.jp
<広報担当>
総務部総務課広報企画室 望月
TEL:055‐220‐8005 FAX:055‐220‐8799
E-mail:koho@yamanashi.ac.jp

 


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