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掲載日:2019.5.27 お知らせ

ドローンを活用した防災トリアージ訓練を実施

 令和元年5月18日(土)、山梨大学医学部附属病院において第16回防災トリアージ訓練(※1)が実施(防災・対策本部長:松田兼一、附属病院救急部長:森口武史)されました。

 今年度も学外から多数の方の協力を得ることにより成功裏に終えることができました(参加者数573名(大学職員293、学生163、行政機関7、県内医療機関71、他大学7、地元自治会等32))。

 

 静岡市付近を震源とするマグニチュード8の地震に伴い、県南西部を中心に家屋の倒壊、火災、交通事故等により多数の傷病者が発生したと想定した今回の訓練は、「災害時の対応に即するブラインド化した訓練」をキーワードとし、事前に職員の役割分担を決めず、訓練参加者が集まった時点で各トリアージゾーン等の割振りを決める、より実践的な訓練としました。

 ブラインド化の訓練は大変混乱も予想されましたが、今回は、最小限に抑えられ参加者の士気の高さを実感しました。

 

 訓練開始時には、院内で非常放送を流し、直ちに設置された防災・災害対策本部が陣頭指揮を取り、情報収集や被災状況の把握を行い、医療資源の効率的な再分配の指示や、院内・各ゾーン等の様々な要望や照会への対応などを行いました。

 

 現場ではトリアージゾーンや各診療ゾーン、NBC災害患者(※2)のための除染エリアを設置し、傷病者を受け入れる態勢を整えました。その後傷病者が運び込まれ、各ゾーンでは医師や看護師を中心としたスタッフが迅速かつ適切な処置を施しました。

 

 また、今回の訓練では、初めてマトリス210型の最新鋭ドローンを飛行させ、撮影した映像を災害対策本部にリアルタイムに中継することで、傷病者の受け入れ状況等を確認しました。

 ドローンに搭載したRGBカメラと熱赤外線カメラの高解像度(鮮明な)画像により状況確認が有用であることを参加者一同認識しました。

 また、熱赤外線検知によって附属病院の建物・インフラ設備の被害状況確認や被災者の探索を試行しました。

 ドローンは即時に飛行させることができ、多様な情報収集と迅速な状況把握が可能であることが確認できました。

 なお、ドローンの操縦は無人航空機操縦技能認定(内閣府認定 公益財団法人日本航空教育協会)の資格を持つ本学総務課・森事務職員が行いました。また島田眞路学長も参加し、操縦指示をしながら自らツインカメラ操作を行い精度検証にあたりました。

 

 その後、栄養管理部による炊き出し検食が行われ、最後に行われた反省会では、島田学長と松田本部長からの講評に続き、参加者による評価点や今後の課題などが話し合われ、災害時の対応を考える貴重な機会となりました。

 

※1トリアージ
大規模災害等により多数の負傷者を受け入れる際、限られた医療資源でできるだけ多くの人を助けるため、重症度により負傷者の搬送や治療の優先順位をつけることをいいます。
※2NBC災害
核(Nuclear)、生物(Biological)、化学物質(Chemical)の頭字語で表した「特殊災害」のことをいう。原発事故や放射性物質の漏洩、生物兵器やウィルスの人為的・自然的な蔓延、化学物資の漏洩や工業災害での事故も含め、通常災害に加え対応には特別の装備や患者の除染が必要になります。

 


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