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今となっては、自分の選択に誇りを持っています

佐藤 美理 さん

2009年 博士課程修了(人間環境医工学専攻)

山梨大学医学部 大学院医学工学総合研究部 社会医学講座 特任助教

 私は、薬剤師として調剤業務に従事した後、他大学にて心理学を学んでいる時に、山梨大学大学院の説明会に行き、進路を決めました。臨床心理学の大学院へ進むかどうか迷っていたのですが、領域架橋を1つのポリシーにしている社会医学講座で、修士・博士課程と研究を行う道を選択して、現在に至っています。

 本講座は、医学・薬学・心理学・看護学・社会学等々、様々な専門性を持つ研究者が、共同研究を行っています。入学直後から、疫学、統計、更に遺伝学に関したものまで、いくつもの勉強会が行われ、課題に追われながらも、研究デザインを組み立てる日々が始まります。修士課程では、小児科の先生方のご協力のもと、県下の大学関連病院などで、発達障害の早期スクリーニングツール開発を目的とした調査を行いました。この研究は、現在も追跡調査を行っています。博士課程では、講座のプロジェクトに関わり、胎生期のアルコール暴露が、思春期のメンタルヘルスに及ぼす影響の検討を行いました。こちらの結果は、妊娠時のアルコールの危険性を啓発するエビデンスとなっています。現役の院生や社会人院生と言った年齢やバックグランドも幅広い同級生に恵まれ、有意義な大学院生活を送ることができました。

 修士課程の頃は、カンファレンスで発表する度に緊張で胃が痛くなるほどでしたが、凹む度に誰かが手を差し伸べてくれて、徐々に逞しくなったようです。修士、博士論文ともに徹夜で作業する日々を経験して書き上げましたが、論文審査会では、審査の先生方のご助言に、とても大きな達成感を得ることができ、鮮烈に心に残る経験となっています。幸いなことに、博士課程最終学年の時に、本大学と早稲田大学との戦略的大学連携事業が始まり、現在のポストに着任することができました。

 現在は、この事業により、更に幅広い分野での共同研究に携わっており、日々充実しています。例えば、乳幼児健診業務に関わったり、小中学校に足を運んで調査を行ったり、また、先生方や保護者の方とも関わりを持ちながら、社会還元のできる研究を実践しています。大学院への進路選択の時は、ものすごく迷いましたし、入学してからも、自分の選んだ道に不安を覚えながら過ごしていました。しかし、専nakamura門性を生かして、臨床発達心理士の資格も取ることもでき、乳幼児期から思春期までの子どもたちと関わりながら研究を行うことができている今となっては、自分の選択に誇りを持っています。本大学院では、様々な選択が可能であり、研究意欲のある学生さんにとっては、居心地のよい充実した日々を過ごせる場所となるでしょう。


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