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進学したことで後悔のない今を過ごすことができています

中村 勇規 さん

2009年 修士課程修了(医科学専攻)

山梨大学医学部 大学院医学工学総合研究部 免疫学講座 助教

 私は2009年に山梨大学大学院医学工学総合教育部修士課程を修了後、研究社員として企業で1年間働き、2011年から現在の職に就き、免疫学、特にアレルギーについて研究を行っています。
 研究と免疫学との出会いは学部卒業研究でした。マクロファージと呼ばれる免疫細胞に分子の大きさで分けたキノコ抽出物をふりかけ、抗腫瘍作用をもつといわれるタンパク質が産生するか否かを検討するという単純な実験でした。しかし、これがたまらなく面白かったことを思い出します。キノコの培養法を検討したり、酸性やアルカリ性の溶液で抽出したり、やる方法やる方法毎回異なる実験結果が得られ、やればやるだけそれ以降の参考になるデータを蓄積でき、成功へ向かっていく感じが楽しくて無我夢中で実験を行っていました。さらに、これと同時進行でマクロファージ(免疫学)への興味にも火が付き、数百ページもある免疫学の教科書を自ら購入するという人生初の事態にも及びました。たぶん現在の私の原点は、この教科書を購入した時の気持ちにあったと思います。
 そして、さらに深く免疫学を医学的に学びたいという思いと、研究テーマについては学生の意向を強く尊重するという中尾教授の考えに共感し、山梨大学医学工学総合教育部医科学専攻修士課程への進学を決意しました。
 大学院での生活はただただ勉強と研究の毎日でした。朝から晩まで実験を行い、結果が出るたびに教授や講座内の学生、臨床医の先生方と議論を交わし、そこで生まれたアイデアをすぐさま実験に移し、一喜一憂する。本当にあっという間に2年が過ぎていきました。その時間は、それまで生きていた中で最も濃厚で充実した時間だったと思います。加えて、生涯を通じて師事できる師と生涯を通じて携わっていきたいと思う仕事に出会えるという本当に幸運な2年間でした。

 私は大学院に進学することで多くの研究技術、知識を学ぶことができ、まだまだ未熟ですが、研究者になれたことを誇りに思っています。その原点は免疫学に興味を抱き、自ら勉強するための本を探し、たとえそれが1か月分の食費に相当する高額の本であっても衝動的に買ってしまうその気持ちにあったと思います。そして、その気持ちに素直に従い、進学したことで後悔のない今を過ごすことができています。大学院への進学を迷っている方は、素直な自分の気持ちに従ってみてはいかがでしょうか。


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