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自分自身のアイデアで研究を進めていく力が身につきました

三宅 邦夫 さん

2009年 博士課程修了(人間環境医工学専攻)

山梨大学医学部 大学院医学工学総合研究部 環境遺伝医学講座 助教

 私は関西の某私立大学理工学部を卒業後、山梨大学大学院医学工学総合教育部修士及び博士課程に進学し、学位を取得しました。大学院時代の研究は糖鎖による神経細胞死抑制効果を解明することでした。アルツハイマー病やハンチントン病に代表される神経変性疾患は細胞内外に異常タンパク質が蓄積し、神経細胞死を引き起こすことが知られています。我々の研究から細胞内で生合成されるある種の糖鎖(オリゴ糖)が神経細胞死を抑制することが明らかになりました。糖鎖機能に基づく新しい神経変性疾患の予防・治療法の開発に役立つことが期待できる研究成果です。

 私が山梨大学大学院に入学を決めた理由はいくつかあります。大学院では病気のメカニズムや治療法の開発といった医学研究をやりたいと思っていました。全国に医学研究ができる大学院や研究所は多数ありますが、いくつかの大学院説明会に参加した中で自分のやりたい研究ができる大学院であると感じたことが山梨に決めた大きな理由です。

 実際、大学院に在学中、苦労した事もよかった事もありました。苦労した事は研究と日常生活をうまく両立させていくことです。私は下宿していたため生活費を稼ぐためアルバイトをしていましたが、研究生活は時間が不規則なことも多いので計画的な時間の使い方が大事になります。よかった事は研究者になるために必要な要素である「自分自身のアイデアで研究を進めていく力」が身についたことです。指導教員の指示どおりにただ実験を行うだけでなく、日頃から教員や仲間たちと意見をぶつけ合うことができる環境が、様々な角度から物事を考える訓練となり、良い研究を行うための土台になったと思います。また山梨大学は研究室内だけでなく、研究室間の垣根を越えた交流がとても盛んです。研究に限らず様々なことを気軽に相談できるところもすばらしいことだと思います。

 研究はうまくいかないことも多く、つらい時もあります。しかし、もがき苦しみながらも良い結果や論文を出せたときは何事にも代えがたい喜びがあります。現在私が研究者になれたのは先生方や仲間たちに恵まれていたこと、そして山梨大学の自由な研究環境があったからだと思います。私にとって山梨大学大学院での研究生活は非常に有意義な時間であり、医学研究に興味があり、やる気のある人にはぜひ入学をお勧めします。


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