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入院する子どもたちのなかには「積み木の先生」と呼んでくれる子もいます

犬飼 岳史さん

1987年 医学科卒業

山梨大学医学部附属病院 小児科 教授

大学病院での私の仕事は大きく分けて三つあります。まず小児科医としての診療、 講義や実習といった教育、そして専門領域の研究です。今、マスコミなどで「小児科医は大変だ」とよく取り上げられますが、小児科だけが特別大変なのかというと決してそんなことはなく、なにかつくられたイメ-ジのようにも思います。

 私が小児科医として心がけているのは、入院している子どもたちに、自分の家のようにリラックスしてもらうことです。 大学病院では小児科医として一般の診療にも当たっていますが、私自身の専門は血液疾患と小児がんですので、担当する患者さんの入院期間は比較的長く1年近い場合もあります。ですから、少しでもリラックスできるように、看護師長さんたちとも相談して、病棟でいろいろな催しを開いています。毎年1回の定期的なものとしては、ヴァンフォーレ甲府の選手たちに病棟に来ていただいたり、山梨県立科学館の方たちに小さなプラネタリウムを投影していただいたりということがあります。また、写真家の方に作品の展示をお願いしたり、月に一回、病棟で積み木広場をしていただいたりしています。私は年齢的にも上の立場になっていますので、子どもたちと接するのはこうした行事の時が多く「積み木の先生」と呼んでくれる子もいるんです。

 大学時代の思い出はいろいろあります。私は旧山梨医大の2期生でしたので、学生の間にも、病院の中にも、新しくものをつくっていくんだという気概があふれていて、とても貴重な体験でした。

 これから医学部をめざす方たちのまわりには様々な情報があふれているでしょう。情報を収集することは必要ですが、情報や社会の要請だけに振り回されず、自分が何をしたいのかをしっかり見つめ、長期的にやり甲斐をもって働けるかどうかを考えながら、志望を決めていくことが大切ではないかと思います。

(執筆時 2011年)


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