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医学部に入ったら臨床と同じように研究にも目を向けてほしい

柴垣 直孝さん

1988年 医学科卒業

柴垣皮フ科医院 院長

大学での私の仕事は、皮膚科の診療、学生の教育、専門の研究と三つの領域にわたっています。

 私が続けている研究は、癌の治療の一つである免疫療法で、癌のワクチンの治療効果を高めるためのものです。今まで行われていた方法とは違う、新しいアプローチになるのですが、現在、マウスを使った実験でかなり成果があかっていますので、近い将来、臨床応用に使えるような方向に持っていきたいと考えています。 研究は、学生の講義や臨床に反映され、成果を皆さんに還元できるというメリットかあります。大学にいる限り、研究は続けていくべきだと思いますし、医学部に入ったら、臨床と同じように研究にも目を向けてほしいと思います。

 医師というのは、明確な目的を持った仕事です。社会で役立ててもらえるというのがやり甲斐ですし、実際に治療した患者さんの病気がよくなって喜んでくださるのが、我々にとって喜びです。時には、今の医療では直せない患者さんもいますが、私かやっている研究は、よりよい治療法を見つけて、それを医療現場に応用していくというものなので、研究もまた私のやり甲斐になっています。

 私が医師をめどしたのは、喘息の母を直したいという、よくある動機です。高校受験の頃は、ちようど県内の高校に理数科ができたばかりのときで、同級生には医学部をめざす友だちも多かったので、切磋琢磨という感じで医学部に入学しました。大学時代を振り返ると、クラプ活動の思い出がほとんどです。勉強熱心な学生ではなかったけれど、野球部で学んだ「あきらめない」ということは、今でも大きな力になっています。

 医師には、世界に出るチャンスもたくさんあります。医学部生は、小さなところにとどまらす、世界に目を向ける人になっていってほしいと思います。

(執筆時 2012年)


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