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「一生懸命勉強してください」これが、後輩の方々に贈る言葉です

井上 克枝さん

1995年 医学科卒業

山梨大学大学院総合研究部 医学域 臨床検査医学 教授

私は臨床検査医学というところで血小板が固まるメカニズムの研究をしています。

 血小板とは、血液の中にある小さな細胞で、怪我をした時などに、かさぶたを作って血を止める役目をする大事な細胞です。これが少ないと血が止まらなくなるといった怖い状況が起こりますが、逆に血管の中で必要でないのに固まってしまうことがあります。

 これによって起こるのが、脳梗塞や心筋梗塞などの病気です。現在、先進諸国ではこうした病気で亡くなる方が非常に多くなっていますので、血小板が必要な時に固まり、不必要な時には固まらなくするにはどうしたらいいかという研究が非常に重要になってくるわけです。

 医学を大きく分けると、臨床と研究がありますが、私の個人的な考えでは、臨床医に必要なのは人柄と体力(笑)。研究者に必要なのは知的好奇心。研究が3度の飯と同じように、好きで好きでしょうがないという人でないとなかなかやっていけないと思います。

 私の大学時代の思い出と言えば「弓道部」ですね。授業が終わると週に3回クラブに行って弓を引き、友だちと食事をして帰るという生活をしていました。私は社交的なほうではないので、クラブという人と関わらざるをえない場所に身を置いたことがとても良かったと思います。先輩、友達がたくさんできたことが、今大きな力になっています。

 また、授業の中で先生が何気なく言われた一言が、患者さんの鑑別診断をする時にふと浮かんできて非常に役に立ったことが一度ならずありました。

 最近は医学部の授業も変わってきて、ひとつのテーマを与えられ、自分たちで問題を解決していくという形のものも取り入れられていますので、自分で勉強しようと思わないと、どんどん遅れていってしまいます。「一生懸命勉強してください」。これが私から後輩の方々に贈る言葉です。

(執筆時 2009年)


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