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令和5年度日本動物学会中部支部大会

藤末 歩さん

医学部医学科 2021年入学

2023年12月1日-3日 三重大学

この度は三重大学にて行われた日本動物学会中部支部大会でポスター発表をさせていただきました。対面開催の学会での発表は先生方や学生間での交流が多く様々なアドバイスや指摘をいただくことができ、また、多岐にわたるテーマの発表を聞くことができ貴重な経験となりました。

今回の発表に際してご指導、ご支援いただきました小田教授、塙先生はじめ解剖学講座構造生物学教室の皆様、ライフサイエンスコース事務局の皆様に感謝申し上げます。

 

以下は発表の抄録です。

 

自然免疫系は非自己への防御手段として様々な生物に保存された仕組みであり、その異常は疾患との関連も指摘されている。しかし、動物進化の初期における自然免疫系の機能については、Basal metazoaにゲノム編集が適応できない種が多いこともあり、あまり研究が進んでいない現状がある。本研究では刺胞動物のモデル生物であるネマトステラを用い、自然免疫の代表的な酵素であるリゾチームに着目し、その機能解明に向けた基礎研究を行なった。まず、抗ネマトステラリゾチーム抗体を作製し免疫染色でネマトステラの組織における局在を調べた結果、内側上皮での発現が確認された。さらにwholemount in situ hybridizationでネマトステラリゾチーム mRNA の局在も調査した結果、免疫染色と同様の局在が示された。次に、ネマトステラリゾチームのアミノ酸配列から最尤法で系統樹を作成し、サブタイプの同定を行った。最尤法で作成した系統樹ではネマトステラリゾチームは多細胞動物から報告のないT4ファージリゾチームに属することが明らかとなった。ネマトステラリゾチームは内側上皮を中心に発現していると考えられ、ネマトステラリゾチームが感染防御や腸内細菌叢の調節を担っている可能性が示唆された。リゾチームをノックアウトした際に腸内細菌叢への影響の可能性が考えられるため、現在、次世代シーケンサーにより糞に含まれる細菌叢の解析を行っている。また、recombinantを麦芽無細胞合成系で可溶化発現させ、酵素活性の測定を試みている。


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