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第94回日本内分泌学会学術総会参加報告

結城 真広さん

医学部医学科 2016年入学

2021年4月22-24日 ZOOM会場

 私は今回、第94回日本内分泌学会学術総会にてポスター発表をさせて頂きました。指導していただいた土屋先生、第三内科、ライフサイエンスコースの諸先生方に御礼申し上げます。 

今回は、甲状腺においてのヨード取り込みに関与しているNISというタンパク質の発現の制御について発表させていただきました。このテーマは3年の終わりから取り組ませていただいているテーマということで、このような大舞台で発表させていただけ大変光栄でした。 

今回の経験を糧に今後も研究・臨床の両方において、これからも努力していきたいと思います。以下に抄録を記します。 

【背景】甲状腺濾胞上皮細胞において無機ヨードは細胞膜に発現するsodium-iodide symporter(NIS)を介して取り込まれ甲状腺ホルモンが合成される。プロスタシン(PRSS8)は細胞膜に発現するプロテアーゼで他の膜タンパク質の細胞外ドメインを不可逆的に切断することで膜タンパク質の機能を調節する。PRSS8は腎臓、肝臓、膵臓などに発現し標的蛋白質として上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)などが知られているが甲状腺における役割は明らかではない。本研究では甲状腺におけるPRSS8のヨード取り込みの調節機構について検討した。【方法】甲状腺濾胞細胞株(FRTL5細胞)においてsiRNAを用いてPRSS8の発現を抑制しヨード取り込みを比較した。HEK293細胞においてプラスミドベクターを用いてPRSS8とNISを共発現させた際のNISの発現量、ヨードの取り込みおよびPRSS8によるNISの切断について比較した。【結果】FRTL5細胞においてsiRNAによるPRSS8の発現抑制により、ヨードの取り込みが有意に減少した。HEK293細胞においてPRSS8とNISを共発現させることにより、NISの発現量およびヨードの取り込みが増加した。しかしながらPRSS8によるNISの切断は確認されなかった。【考察】FRTL5細胞においてPRSS8がNISの発現量およびヨード取り込みを間接的に調節することが示唆された。今後、現在作成中の甲状腺濾胞上皮細胞特異的PRSS8欠損マウスを用いて甲状腺ホルモン産生調節における個体レベルの意義を明らかにしていきたい。 


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