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第87回日本薬理学会年会

田口 備教さん

医学部医学科 2010年入学

2014年3月19-21日 東北大学百周年記念会館川内荻ホール、仙台国際センター

第87回日本薬理学会年会

演題『Müller cells induce axonal elongation of retinal ganglion cells via P2Y6 receptor activation』

ポスター発表
 緑内障はretinal ganglion cell(RGC)の細胞死及び軸索障害に起因する疾患で、我が国の中途失明原因の第一位を占めます。眼圧下降薬が第一選択薬ですが、正常眼圧緑内障患者が多い事、これら薬剤に抵抗性を呈する患者がいること等、新たな治療法確立が急務となっています。そこで、私はRGCの周りに存在するグリア細胞Müller細胞に着目し、Müller-RGC連関の視点から新規緑内障治療法開発に挑戦しました。細胞死に先行してRGC軸索伸展障害が起きることから、特に、RGC軸索伸展を指標として研究を行い、その結果、緑内障の分子病態に、UDP/P2Y6受容体を介したMüller-RGC連関の機能変調が関連している可能性が示唆されたという内容を発表しました。研究内容に興味をもって質問してくださった方々に質問やコメントをいただきました。

講演・口頭発表の聴講
 本学会は大地震と大津波が東日本を襲った2011年3月11日の3年後に東北で開催されました。東北大学大学院医学系研究科機能薬理学分野の谷内一彦会長は日本薬理学会年会を東北の地で開催することの意義、薬理学に関わるあらゆる人が東日本大震災の被災地の仙台を訪れることが本学会のテーマである「復興と創造」につながると力強く語られていました。
 私は自身の研究に関連する眼科領域の講演をはじめ、興味のあるグリア細胞に関連した発表を聴講しました。グリア細胞そのものが脳障害およびその修復に重要だと指摘する議論、ニューロン・グリア連関から神経疾患メカニズムを紐解くプレゼン等、脳の病態に対して多彩な視点から様々なアプローチがなされており、脳病態時におけるニューロン・グリア活動の解明研究に触れることができてとても興味深い印象であったのを覚えています。さらに発表の際、ビジュアルに富んだスライドも加わったことでより理解を深めることができ、すばらしい講演からわかりやすいプレゼンを行うためのデータのまとめ方も学ぶことができました。

学会後の懇親会
 各日、学会終了後に山梨大学薬理学講座の先生とその繋がりのある先生方と共に開かれた懇親会に参加させていただきました。基礎から臨床の現場で活躍されている先生まで参加されており、学会の会場では聞けないような話を聞くことで研究の世界をより知るようになり、親睦を深めることもできました。本学薬理学講座の小泉教授の人脈の深さに心から謝意を表すとともに、人のつながりが研究をする上で大切な要素のひとつであるように思いました。


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