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第26回日本疫学会学術総会

小村 慶和さん

医学部医学科 2014年入学

2016年1月21-23日 米子コンベンションセンターBigShip

第26回日本疫学会学術総会に参加しましたので、報告いたします。私は世の中の役に立つ研究者を志してライフサイエンス特進コースに所属しました。今回は私にとって初めての学会であり、今後の研究の糸口になるものを何か一つでも見つけることを目標に、参加してきました。
今回の学会は1月21日から23日までの3日間、鳥取県米子市で開催されました。初日は、若手の会という若手研究者の集まりに参加し、海外留学を経験した先生方のお話を伺うことができました。海外留学をする上での資金や言語、あるいは家族のことなど具体的な話を知ることができ、とても参考になりました。その後の懇親会では、日本全国で活躍している先生方とお話しでき、社会における疫学の役割から日本の医療の将来についてまで多岐にわたる話題について、自身の考えを深めことができました。また、学内ではなかなか出会うことのできない、疫学的な視点から研究に取り組んでいる同年代の方々と知り合うこともでき、大変刺激的でした。残りの二日間は講座の先生方と一緒に、さまざまな講演や研究発表に参加しました。口頭発表では、最前線で活躍する先生方の興味深い研究成果を知ることができました。また、ポスターセッションでは多様な研究テーマに触れることで、その根底にある本質的な疫学研究の考え方を学ぶことができました。まだまだ分からないことのほうが多いのですが、それでも疫学について多くのことを学べたのは、先生方がまだ学部生である自分にも丁寧に教えてくださったおかげです。
このように、今回の学会で経験したすべてのことが自分にとって貴重でかつ有益なものでした。その中でも特に印象に残っている言葉が「小医は病を診る、中医は患者を診る、大医は社会を診る」です。私はこれを聞いて、医師となるうえでは須らく大医たる要素を持ち合わせておくべきであると思いました。我が国では、少子高齢化の進行によって、高齢人口はますます増加していきますが、その一方で生産年齢人口が減少していくために、このままでは医療に関わる財政破綻と人的資源の不足に直面する可能性があります。そのような社会においては、病気の芽を早いうちに摘んでおくというような、即ち、“社会を診る”発想も重要になってくると思うのです。この発想を現実にしてくれる手段の一つが公衆衛生や疫学であると、今回の学会で強く感じました。
今回の学会への参加は山縣先生、鈴木先生をはじめとする所属講座の皆様のご配慮で実現しました。おかげで、具体的に研究を始める前の早い段階で人を対象とする疫学研究の空気に触れることができ、日々講座で学んでいることの重要性を改めて認識することができました。この機会を与えてくださった皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。


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