English

the 54th Annual Meeting of American Society of Hematology

安藤 徳恵さん

医学部医学科 2009年入学

2012年12月8-12日 アメリカ ジョージア州アトランタ

発表内容

演題: Chemosensitivity is Differentially Regulated by SDF-1/CXCR4 and SDF-1/CXCR7 Axes in Acute Lymphoblastic Leukemia.

MLL 遺伝子再構成陽性急性リンパ性白血病(MLL+ALL)において、ケモカイン受容体CXCR4とCXCR7がリガンド SDF-1 との結合により抗白血病薬感受性が異なることを示した。また、すでに米国で急性骨髄性白血病において臨床試験が行われている CXCR4 の阻害剤害 AMD3100 を用いたところ、MLL+ALLでは抗白血病薬抵抗性が増強したことから、ALLでの臨床応用には検討が必要であるという提案をした。

 

質疑応答の内容

約20名ほどと話すことができ、質問だけでなく、プレゼンを要求するする人が半分位だった。質問内容は、大きく2種類に分けられる。一つは、実験手技に関すること(何の抗体を使っているか、どういうプロトコールか等)、もう一つは figure を示せば納得してもらえるような簡単な質問であった。

 

学んだこと

今回、一番強く感じたこと。それは、『学会で発表する=責任ある行動である』ということだ。自分が一番苦労したデータに対し、同様に検出できずに困っている人が質問に来た。しかし、自分もたまたまきれいに検出できただけで、安定はしておらず、いまだにもっと良い方法はないかと検討している最中のものであった。検出できず困る気持がよくわかる分、自分のプロトコールをとりあえず説明することしかできなかったことは、本当に後悔した。もっと自分の失敗を吟味しておけば、違ったことが言えたかもしれない。この時、発表することの責任の重さを痛感した。もう一つは、「世界は広い」ということだ。以前、日本の学会で発表させて頂いたときは質疑応答が2分であったことやCXCR4についての研究は最近は日本では少ないためか、質問も少なく、一瞬で発表が終わるような印象であった。しかし、米国学会は違った。3000を超える演題数と母体が大きく、更に2時間ポスターの前で立っているという環境のおかげもあり、CXCR4、CXCR7、SDF-1を扱っている研究者たちに出会った。彼らが自分の研究に興味を持ち片言の英語に真剣に耳を傾けてくれ、良い仕事だ、と言ってくれる。こんなに嬉しい感覚は今までになかった。世界には同じようなことを研究している人がいるというだけでも、今後のモチベーションにつながるものであった。

 

今後への抱負

米国学会の発表では、ほんの少し世界を見ることが出来ただけなのだが、学んだこと・感じたことがあまりにも新鮮すぎたせいか、視野が相当広がったように思う。今回、米国学会で発表した内容を論文にまとめることは、最も近い目標である。では、その先は?というと、やはり最低3年は留学をするべきだと強く思った。実際に肌で感じないと、世界の広さ・凄さはわからない、とこの数日で思ってしまった位なのだから、その広い世界の中心に少しでも近づくためには、各国から人材が集まってくる場所で修業をしなくてはならないと思う。更に、卒業まであと 2 年となった今、留学期間を踏まえ将来設計を立て、進路についてもそろそろ考えなくてはならないと少し焦るきっかけにもなった。


一覧

このページについて問い合わせる

    お名前 (必須)
    メールアドレス (必須)
    お問い合せ内容

    内容を確認してチェックボックスをクリックしてください。