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第2回疫学若手の会合宿

小村慶和さん

医学部医学科 2014年入学

2016年10月1-2日 琵琶湖コンファレンスセンター

 第2回疫学若手の会合宿に参加しましたので、報告いたします。今回は私にとって、疫学分野の人々と交流する初めての機会であり、先輩方から今後の研究に必要な知識と知恵を学びたいと思い、参加してきました。
 今回の合宿では「公的統計データの二次的利用」について、特に詳しく学ぶことができました。二次的利用とは行政が集めた情報を秘密の保護を図った上で、学術研究のために活用することであり、私たちが使用可能なデータは「オーダーメード集計」と「匿名データ」の2種類があります。これらは新統計法により追加された利用形態とのことです。オーダーメード集計とは、私たちが分析に使用したいデータ元の調査実施者に委託し、調査票情報に基づいて、分析のためのデータを提供してもらうものです。また、匿名データとは国民生活基礎調査など個人情報があるデータを、匿名化措置を施した上で、提供してもらうものです。合宿の初日は、これらのデータの利用申請の方法や必要な手続きの内容及びそれに要する時間、そして手続きの手数料など、自分でデータの二次的利用をする上で必要となる情報を、総務省と厚労省の方から直接聞くことができました。また、二日目には、実際にこれらのデータを使用して学術研究することによる利点や論文投稿の際に工夫が必要な点について、疫学を専門にされる先生方から教わることができました。日本のサーベイランスシステムはまだ広く知られてはいないため、論文を書く際には、調査方法を詳細に書く必要があるということは私にとって意外なことでした。
 そして、この合宿では、講演のない時間に、自分と同じ目標を持つ人々と交流を深めることができました。世の中のことや将来のこと、自身の研究について、疫学的な視点から語り合えたことは、私にとって初めてのことで、大変刺激的でした。学内でも、先輩や先生方に恵まれており、研究に関する多くの正確なアドバイスをもらうことができています。しかし、全く別の環境で学んだ人と話すことで、新しい視点からの意見を得られたり、自分と同じ意見を別の言葉による表現で聞くことができたり、大変勉強になりました。
 この合宿は、当初自分が予想していたよりもはるかに実りのあるものでした。公的統計データの二次利用の方法を学ぶことができ、さらに疫学を学ぶ多くの方々と交流を深めることできたことは、これからの研究生活にとって大変貴重な経験となりました。この経験を生かせるよう、一層、努力していきたいと思います。最後に、このような経験が出来たのは、若手の会に誘ってくださった先生とこのような研究の機会を与えてくださっている社会医学講座及び特進コース関係者の皆様のおかげです。この場を借りて、御礼申し上げます。


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