English

サイエンス・インカレ見学報告書

小林 憲司さん

医学部医学科 2017年入学

2018年3月3-4日 立教大学池袋キャンパス

 サイエンス・インカレは、研究を行っている学生のみが参加可能な学術大会である。学生かつ自然科学系の研究であるという条件以外はなく、生物系から数物系まで幅広い分野の研究が応募対象となっている。発表方法は口頭とポスターの二種類があり、それぞれから最優秀賞が選ばれる。かなり大規模な大会で、協賛企業も多く、活気にあふれていた。そういった大会に今回、見学だけではあるが参加させていただいた。

 初日は、前半が口頭発表・後半がポスター発表というスケジュールだった。前半の口頭発表は、予選通過した研究を「数物・化学系」・「工学系」・「生物系」・「情報系」・「文理融合系」の5つに分類して、それぞれの系をそれぞれの教室で発表していくという形をとっていた。一人当たりの持ち時間が質疑応答含めて17分かつその数が46もあるので、こういった系毎に並列して発表する形をとらざるを得なかったのかもしれないが、各教室に距離がありかつインターバルが実質3分未満だったので、系を横断して聴講することが難しく、いくつか聴き逃してしまったのが残念である。だが無理してでも様々な系の発表を聴講させていただいたおかげで、いろいろと得るものがあった。自分は今現在生物系の実験をしているのだが、やはりその他の系の実験と比べると幾分泥臭く感じた。ともに試行錯誤を繰り返しているのは同じなのだが、最終到達点がかなり異なる。生物系はどれだけ試行を繰り返しても、その性質上明確な因果関係まで導き出せることが滅多にないのに対し、他の系の実験―特に数物系などは顕著で―だと最終的に一つの数式を導き出せていることが多い。また、最初のモチベーションに関してもその差を感じた。生物系だと医療応用など「〇〇を治すための布石になりたい」といったモチベーションが多いのに対し、他の系だと「興味深い波形だったから」・「不思議な光り方をしていたから」といったある現象への純粋な興味で始まっているものが多かった。どれが優れているのかといったそういうことを言いたいのではなく、こういった様々なアプローチがあることを知ることには非常に意義があると言いたいのだ。後半のポスター発表では、内容の興味深さはさることながら、学生同士あるいは教員と学生が名刺交換をしている場面が一番興味深かった。どうやら予選通過者には名刺が準備されるらしい。こうして研究を志す者の輪が広がっていくことが、この大会の最大の目標なのだろう。

 二日目は、優秀者の再度の口頭発表とノーベル賞受賞者の小林先生のご講演と結果発表だけだったので、割愛させていただく。

 こうして二日間の大会が終了したわけではあるが、この大会を通じて最も強く感じたのは異分野融合の重要性である。昨今異分野融合の重大さが説かれて久しい。自分も確かにそれは大切だろうと漠然と感じてはいた。しかしこうして実際に異分野の最先端が集った場を知ると、それは大切などというものではなく必須のものではないかと感じるようになった。科学の発展に伴い専門性がかなり増大してしまった結果、同じ系に属していても少し畑違いならよくわからないという状態が平然と存在しているのだ。もうすでに人間一人で把握できる量を優に超えている今の科学の世界では、なんの新しい発見がなくとも今ある知見を組み合わせるだけで、ブレークスルーとなる発見が可能なのではないか。そういった空想を実現してくれるのが、こういった大会なのだろう。主体として参加できるように、今後の研究活動に精進しなければならないと、とても良い刺激となった二日間であった。


一覧

このページについて問い合わせる

お名前 (必須)
メールアドレス (必須)
お問い合せ内容

内容を確認してチェックボックスをクリックしてください。