この度は、京都で行われた学会にて口頭発表を行いましたので報告致します。本学会には小児科学講座から私の他に、毛利さん(6年)、水上さん(5年)が参加しました。全員がそれぞれ異なる演題で口頭発表を行い、私の発表テーマは「臨床的な薬物動態の暴露条件下における6-MPとMTXのB前駆細胞型ALLに対する抗白血病効果」でした。この研究では、71種類のB前駆細胞型ALL細胞株を用いて、臨床薬物動態を模倣した条件下で6-MPおよびMTXの抗白血病効果を評価しました。具体的には、各細胞株に対し、6-MPとMTXを臨床的な最高血中濃度に相当する濃度で暴露し、その後、血中半減期を再現するように培養液中の薬物濃度を変化させながら、7日間にわたり実験を行いました。この実験による感受性解析は、維持療法における2剤の併用効果を評価するための有用な研究方法であることを発表しました。
実験は、白血病細胞株への薬剤添加を日々行うもので、平日はテクニシャンの加賀美さんや小松さんが担当し、土日祝日は学生が担当しました。特に、培養液中の薬物濃度を一日の中で変化させる工程は非常に労力がかかりましたが、チーム全員が協力し、長期間にわたる実験を成功させることができました。また、私は学生チームのまとめ役を通して、自らの成長に繋げることができました。実験計画や解析においては、犬飼先生をはじめ小児科血液班の先生方に多大なるご指導をいただきました。科学的な視点や臨床での重要な知識まで幅広く教えていただきました。
ライフサイエンスコースからも日々サポートを受け、研究発表に集中する環境を整えることができました。学生の研究活動を支援してくださる制度があるおかげで、このような貴重な機会を得ることができました。また、学会発表に向けた準備の一環として、11月中旬に開催されたライフサイエンスコース主催の研究成果発表会にも参加しました。この発表会でのフィードバックが、学会発表をより良いものにするための重要なステップとなりました。
今回の学会参加を通じて、研究を深めるだけでなく、多くの方々の支えを実感しました。特に、日々実験を支えてくださった加賀美さん、小松さん、発表指導をしてくださった犬飼先生をはじめとする小児科血液班の先生方に心から感謝いたします。また、ライフサイエンスコースのサポートがなければ、学会参加や研究活動をここまで充実させることはできなかったと感じています。
私は来年から山梨大学医学部附属病院の初期研修医(小児重点プログラム)として医師としてのトレーニングを始めます。今回の学会参加を通じて得た経験は、臨床現場で役立つと確信しています。今後も、この経験を糧に研究者および医療者として成長し、日本の医療へ貢献できるよう努力して参ります。