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the 54th Annual meeting of American Society of Hematology

笠井 慎さん

医学部医学科 2008入学

2012年12月8-12日 アメリカ ジョージア州アトランタ

参加報告

 12月7~11日にかけてジョージア州アトランタにあるGeorgia World Congress Centerで54th Annual meeting of American Society of Hematologyにポスター発表で参加しました。同行者は同じく発表のあった4年の安藤徳恵さん、小児科学講座の杉田完爾教授、技術補佐員の加賀美恵子さんの3人でした。ポスター発表は2時間で、10人程度の先生から質問を受け、内容説明のほか、今後の研究に役立ちそうなアドバイスもたくさんいただきました。

 発表内容は、小児のMLL 再構成陽性ALLに高発現しているCD44に、特異的なLigandであるヒアルロン酸刺激を加えたとき、超低分子量ヒアルロン酸による刺激においてROSの産生とER stressを伴うautophagyを示唆する細胞死が認められたという発表でした。

 質問内容としては、autophagyによる細胞死はどのように検討したのか、超低分子量以外のサイズのヒアルロン酸は用いたか、結果はどうであったか、mitophagyについて調べたらどうか、ALLは動物実験系では症状が確認できた途端に死んでしまうので難しい、などでした。

 同じ分野では、CD44をCD44抗体で刺激したところ、mTORc1, mTORc2共に抑制されたというポスター発表がありました。mTORc1はautophagyを抑制し、mTORc2はapoptosisを抑制しているとされています。今回の私達の発表ではautophagyによる細胞死の他に一部apoptosisによる細胞死も認められることから、mTORc1とmTORc2の抑制のバランスによるものと考えれば、矛盾しないと考えました。mTORに関与するAktのリン酸化が起きていることはWestern blot法で確認しているので、mTORについても今後検討していきたいと思いました。

 将来の展望ですが、CD44刺激による細胞死はautophagyによるものなのか、autophagyはROS産生やER stressによる細胞死に対して救済に働いた結果によるものなのかをautophagy マーカーであるLC-3やautophagy阻害剤の3-MAなどを用いて検討していきたいと思います。また、来年には研究結果を揃え、論文にまとめる予定です。

 海外の学会の雰囲気を肌で感じることができ、発表をしたことで度胸もつきました。とてもいい経験をさせていただきました。ありがとうございました。


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